四十肩(五十肩)を無理やり動かす?~いいことありません~
四十肩(五十肩)になった方で「固まるのが嫌だから無理やり動かす!」という人が結構います。
なんとなく痛みを我慢して動かしていると、そのあとは一瞬楽になったような気がするものですから、厄介です。
中には、鉄棒にぶら下がってブンブンと体を揺らしたなんて人もいるくらいです。
厄介と書いたように、四十肩(五十肩)になったときに無理やり動かすことはいいことは一つもありません。
百害あって一利なしです。
しかし、どうして無理やりでも動かした方が良いなんて風潮があるのか、日本人らしい我慢の文化といったところでしょうか。
おそらく、それだけ腕が動かせないというのは困ることが多いということなのでしょう。
ここでは、四十肩(五十肩)を無理やり動かすことについて、ご説明したいと思います。
四十肩(五十肩)で無理やり動かすことの影響について
さて、四十肩(五十肩)になったときに無理やり動かすことは、どのような影響を及ぼすのでしょうか?
四十肩(五十肩)になっている場合、肩の中では炎症が起き、肩を支える筋肉が適切に働かなかったり、まわりの大きな筋肉が過剰に緊張したりして、動きを阻害してしまっています。
固まってくると、筋肉だけでなく、関節を包む袋や靭帯まで固くなります。
無理やり動かすということは、これらの袋や靭帯を無理やり引き延ばそうとするものです。
ともすれば、損傷させてしまうことにもなります。
損傷すると、一時的に動くようになるかもしれませんが、あくまで損傷なので、今度は逆に関節を支えるものが壊れることになります。
そのため、痛みがおさまっても関節がグラグラとするようになります。
そうなると、また四十肩(五十肩)を再発するようなことにも、なりやすくなってしまいます。
周りの筋肉にとっても、無理やり動かされると、反発して余計に縮もうとする力が働くので結局は余計に肩が固くなってしまうことになります。
さらに、先ほどと同様に無理やり動かすことにより、筋肉の断裂を招くということにもなりかねません。
四十肩(五十肩)の時に無理やり動かすことは決して得策とはいえません。
まずは、自分の肩の状態をきちんと把握し適切な対処をおこなっていきましょう。
四十肩(五十肩)を無理やり動かす?~むしろ腕を挙げないで!~
四十肩(五十肩)になった方で、無理やり動かすということをしたら、余計に痛くなって慌てて病院に行った、なんていう話を聞くことがあります。
四十肩(五十肩)のはじめの症状は、ほんとに軽い場合もあり、動かせないわけではないくらいのことがあります。
そうなると、固まることが心配になり、無理やり動かす、ということになってしまうわけです。
先ほども書いたように、四十肩(五十肩)で無理やり動かすということは百害あって一利なしです。
では、四十肩(五十肩)で無理やり動かしてしまい、痛みが出てしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?
四十肩(五十肩)で無理やり動かして、痛みが強くなってしまった場合、まずは肩の中の炎症をいかにおさめるかということが主眼になります。
無理やり動かすということは、極端に言えば外傷、転んですりむくとか、打撲して腫れるとかいうことと同じことです。
そのため、無理やり動かしたのちに痛みが増したのであれば、まずは冷やすということが大切になります。
できれば、氷で肩全体を覆うように冷やせるのがベストですが、ビニール袋に広く敷き詰めるように氷をいれて2,30分程度肩を覆うようにすると効果的です。
さらに、けがをした直後の急性期である、ととらえて構わないのでさらに動かそうとするのは決していいことではありません。
もちろん、痛みがない範囲であれば大丈夫ですが。
これまでも書いてきたような、クッションなどを使って腕の重さを支えてあげるようなことを行い、腕の重さを預ける、という対処がよいでしょう。
無理やり動かすことをした場合でもそうでない場合でも同じですが、四十肩(五十肩)では痛みがある場合は肩の高さより上に腕を挙げるということは極力避けた方が賢明です。
挙がらないことはないにしろ、かばった動きで腕を挙げていては間違った動きが学習されることになり、あまり良いことにはならず結果として治るまでの時間が多くかかるようになってしまうのです。
そのため、無理やり動かすということはせず、
- 痛みのない範囲
- 余計な力が入らない範囲
- 肩の高さくらいで体の正面の範囲
というようなことを意識するとよいですし、無理やり動かしてしまった後はなおさら意識すべきだと思います。
何度も書きますが、四十肩(五十肩)では無理やり動かすということは決していいことはありませんし、治るまでの期間が相当長くなってしまうことが多いです。
さらには肩の中の組織が傷んでしまい、酷い場合は、一生治らないこともあります。
まずは、医療機関で適切な診断と適切な対処を教えてもらうのがよいのではないでしょうか。