四十肩(五十肩)と後遺症~すっかり治ったと思っても~

四十肩(五十肩)になって、治った方がよくおっしゃることがあります。

 

「俺も四十肩(五十肩)になったけど後遺症もなく、ほっといたら治ったよ」

 

たしかに、四十肩(五十肩)はきちんと治るものという認識が一般的で、後遺症が残るというイメージはないでしょう。

 

もちろん、治るのは事実なのですが、実はいろいろな後遺症というべきものを残してしまうことが多いのです。

 

そして、そんな後遺症が、再発のリスクにつながっているというのは、あまり知られていないことでしょう。

 

今回は、そんな四十肩(五十肩)と治った後にのこる後遺症について書いていこうと思います。

四十肩(五十肩)の後遺症にはどんなことがあるの?

四十肩(五十肩)の後遺症にはどのようなことが考えられるのでしょうか?

 

後遺症というとと一生残るもの、と考えがちですが、この話の後遺症は少し違います。

 

最後まで治そうと思えば治せるのに、動きも痛みも先に良くなるので困らなくなり、治療しなくなることを指しています。

 

四十肩(五十肩)で代表的なのが「腱板損傷(けんばんそんしょう)」です。

 

肩の中にある小さな筋肉をまとめて腱板(けんばん)と表現しますが、いわゆるインナーマッスルのことです。

 

これらが傷つくことで四十肩(五十肩)になることが多いのですが、腱板が一部切れてしまうことがあります。

 

切れたままでも痛みがおさまり、動きも不自由ないくらいまでよくなるので放置されることが多いのです。

 

しかし、腱板が切れたままだと肩が不安定になり、また肩の中で擦れるような状況になりやすいのです。

 

また、四十肩(五十肩)の後遺症としては、肩から「首周りの筋肉の硬さ」が残るケースがかなり多いです。

 

少々固くても動きに問題ないのですが、このような硬さを残すと四十肩(五十肩)が再発しやすくなるのです。

 

そのほかの後遺症としては、肩の関節を広げる目的である「関節唇」といわれるパッキンのようなものを傷めることがあります。

 

これも痛めたままでも痛みがなくなることが多く、再発のリスクにつながります。

 

そして四十肩(五十肩)の後遺症として最も見過ごされやすく、最も再発のリスクにかかわっているのが、身体に学習された「悪い動きの習慣」です。

 

四十肩(五十肩)は痛みがとても強く伴うため、肩の動きをかばうことが非常に多くなります。

 

そういったかばった動きをしているうちに、適切でない動きを脳が学習してしまうのです。

 

そのため、一度そのような使い方を学習すると、痛みがなくなっても間違った使い方となり、ますます四十肩(五十肩)を再発させるリスクが高くなってしまいます。

 

このように、四十肩(五十肩)の厄介なところとして、今回書いたような後遺症が残っていても生活に困らなくなることが多いのです。

 

四十肩(五十肩)は、きちんと治し切らないと再発のリスクが高くなることを知り、痛みの有無にかかわらず対処をしていくことが大切なのです。

四十肩(五十肩)の後遺症への対策はどうする?

四十肩(五十肩)の後遺症として先ほどはいくつかのことを書きました。

 

何回もいうように後遺症といっても、まだ戻る可能性のあるものですので、ご安心ください。

 

では、そんな四十肩(五十肩)の後遺症といわれるものの注意点や対策などを書いていこうと思います。

 

まず、四十肩の後遺症として考えられる「腱板損傷」からです。

 

肩の中で筋肉がこすれて一部、もしくは全部が切れてしまう状態です。

 

これは小さな傷であれば修復するのですが、傷が大きくなると修復することなくむしろ広がっていってしまうのです。

 

最悪の場合、手術が必要になりますし、手術をしても完全に元通りにならないこともあります。

 

医療機関のMRI検査でしかわかりませんが、四十肩(五十肩)になって腱板損傷を指摘された場合、肩に負担をかけるような動作は極力避けるようにして下さい。

 

重いものを片手で持つ、遠くに手を伸ばして物を取る、大きくひねる、など四十肩(五十肩)の再発のリスクが非常に高くなってしまいます。

 

逆に、そのような動作を避けるような習慣をつければ、特に問題なく過ごせるものなのです。

 

次に、四十肩(五十肩)の後遺症として「肩回りの筋肉の固さが残る」ことがあります。

 

「そんなもの四十肩(五十肩)が治ればすぐに元通りでしょ?」

 

・・・と思う方が多いかもしれませんが、実はそうではありません。

 

多少固さがあっても、痛みや動きはよくなってしまうのです。

 

これもまた先ほどと同様に、四十肩(五十肩)の再発リスクを高める要因の一つとなります。

 

注意点や対処としては、背伸び一つでもゆっくりと行い、肩まわりの筋肉の柔軟性を高めておくことが大切です。

 

簡単なものから始めないとなかなか続かないことが多く、自分のペースをつかむことが大切です。

 

最後に、最大の問題である「誤った動きの学習」についてですが、かばった動きを肩回りの筋肉が学習してしまい、脳もそれが当たり前になってしまう状況です。

 

痛みがなくてもこのようなことは、頻繁に起こります。

 

そのため、四十肩(五十肩)が治ったと思ったら首が痛くなったとか、肘が痛くなったとかを耳にすることが非常に多いのです。

 

この誤った動きの学習が起きてしまった場合、大切なのは「肩回りの脱力」です。

 

特定の筋肉を無理に使って腕をあげようとするので、普段よりも疲れやすくなってしまうのです。

 

対処法は、痛みがある、無しにかかわらず、何かと肩の力を抜くように心がけるようにしていきましょう。

 

四十肩(五十肩)の後遺症は非常にわかりにくいものであり、周囲の賛同を得られにくい症状です。

 

しかし、後遺症といっても対応ができるものなので、まずはできることが考えて、体操などを習慣化するようにしていきましょう!

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