四十肩(五十肩)と閉経~避けては通れない~
四十肩(五十肩)になった方で、更年期に伴う閉経と関連があるか?という質問を耳にすることがあります。
四十肩(五十肩)になりやすい年代の女性は、同時期に閉経や更年期を通過するので、関連があると考えられやすいものです。
ご想像通り、閉経と四十肩(五十肩)には関連があるとされています。
もちろん、閉経すれば四十肩(五十肩)になる、というほどではないのですが、閉経する時期には四十肩(五十肩)になるリスクが増してしまう、と考えるとよいでしょう。
ここでは、四十肩(五十肩)と閉経の関係性についてご説明します。
四十肩(五十肩)と閉経にはどんな関係があるの?
閉経する時期に四十肩(五十肩)になるリスクが増す理由としては、ホルモンバランスの乱れが関係します。
もちろん乱れ、といっても年齢に伴う変化なので避けては通れないものです。
女性の場合は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が極端に減少します。
男性ホルモンであるテストステロンの分泌も変化する(男性でも女性ホルモンが出ますし、女性でも男性ホルモンを出すのが普通です)ので、ホルモンバランスが乱れる、という表現になるわけです。
そもそも、これらのホルモンは身体の恒常性を保つという役割があります。
簡単に言うと、ちょうどいいところに体調を保つ、ということでしょうか。
筋肉や血管の壁、内臓の壁など様々な組織の伸び縮みにも関連が深くあります。
ホルモン分泌が減少することで、これらの組織の伸び縮みが上手くいかなくなると四十肩(五十肩)になるリスクが増す、ということになります。
それ以外でも、閉経の時期には自律神経の乱れも出現することがわかっています。
この時には、肩や腰の固さがでたり、循環の乱れも大きく乱れたりするので、四十肩(五十肩)が治る過程がスムーズに進みにくい環境になっています。
もちろん、閉経の時期は精神的にもいらいらが募り、不安定になりやすい状況です。
そのため、四十肩(五十肩)の痛みそのものも、精神的な影響を受け、1の痛みを2にも3にも感じてしまうようなことも起きてきます。
閉経そのものは避けて通ることはできません。
しかし、知識をもって適切な対処を行うことが大切です。
ご自身の状態を適切に把握するために、一度は医療機関でのチェックをしてみてはいかがでしょうか?
四十肩(五十肩)と閉経~ゆったりゆっくり落ち着いて~
四十肩(五十肩)の好発年齢では閉経が起こる年代と重なっていることがあります。
閉経をする時期にはホルモンバランスが非常に大きく乱れ、体の様々な面で大きな変化が起こります。
先にも書いたように、筋肉や血管など様々な組織の伸び縮みする能力が落ち、硬くなります。
さらに、自律神経系への影響も大きく循環の問題も出てくることがわかっています。
そして、何より精神的に不安定になることもわかっており、イライラがつのり四十肩(五十肩)の痛みにたいしてより敏感に感じ取るようになってしまいます。
そのような四十肩(五十肩)で閉経の時期に当たる場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
まずは、基本的な四十肩(五十肩)に対する注意は必須です。
重いものを持たない、手を無理に上げようとしない、体の横に手をのばさない、など痛みのある動作は極力避けることが大切です。
閉経の時期には、更年期障害も関与しており、いかに四十肩(五十肩)を発症させないかが重要になってきます。
動きはある程度注意すればなんとかなりそうですが、ちょっと動かす時の筋肉の過剰な緊張はいかんともしがたいのが現実です。
同じ動きをしても、痛みのあるなしにかかわらず、過剰に筋肉が緊張しやすくなるのも閉経の時期の特徴でしょう。
自律神経のことも含め、当たり前のようですが、閉経の時期には日常生活のリズムが重要となります。
ホルモンバランスは、もともと体の働きを整えることが重要な仕事です。
しかし、一度崩れてしまうと元に戻ることは難しく、生活のリズムを整えながら少しずつ戻していくようにしたらよいでしょう。
きちんと3食取る、同じ時間に眠る、日中は可能な範囲で運動を行う、など基本的なことをきちんと行うことが大切です。
仕事でなかなか難しいといっても、食事をバランスよく摂る、できる範囲で体操を行う、などが地味ですが、確実に効果が出てくる基本的なことだと思います。
四十肩(五十肩)で閉経の時期には、当たり前のことをゆっくりとリラックスして行うことが重要です。
まずは一つ、深呼吸をする癖をつけてみてはいかがでしょうか。