四十肩(五十肩)にペンギン体操が効果的ってどういうこと?
四十肩(五十肩)になったときの体操の一つとして、ペンギン体操というものがあります。
某有名TV番組で紹介されてから、とても有名になりました。
その番組の中では「終身型四十肩(五十肩)」という(視聴者にウケそうな)名前を付けて、その対応の一つとしてペンギン体操を紹介していたようです。
終身型四十肩(五十肩)というのは診断名でいえば「腱板断裂」のことで、特に新しい病名ではありません。
昔からあるものを、聞こえの良い名前に変えているだけです。
この腱板断裂がおこると、腕の力が入らなくなり、腕があげにくくなります。
そのため、「ペンギン体操」で肩以外の部分の動きを促して、腕をあげやすくしてあげましょう…というのがペンギン体操の目的です。
では、四十肩(五十肩)に効果的なペンギン体操について、詳しく説明しましょう。
四十肩(五十肩)にペンギン体操をやる目的をもっと詳しく
四十肩(五十肩)に対するペンギン体操の主な目的を具体的に説明します。
ペンギン体操は、肩甲胸郭関節(けんこうきょうかくかんせつ)を、うまく大きく動かすことにあります。
肩の関節は、複数の関節で成り立つことが言われています。
一般的なイメージにある「肩関節」だけで動くわけではありません。
四十肩(五十肩)によって腕の骨を動かす力が入りにくくなるため、肩甲胸郭関節という関節、肩甲骨や背骨にあたる部分の動きをよくしようというわけです。
ただし、ペンギン体操で四十肩(五十肩)が治る!というと、それはちょっと言い過ぎです。
あくまでも、炎症を起こしている肩関節(肩甲上腕関節)への負担軽減のために、肩甲胸郭関節(肩甲骨、肋骨、背骨)の動きをよくしましょう、ということです。
肩の関節への負担が減った結果として、四十肩(五十肩)が治りやすい環境になると、とらえていただいた方がよいでしょう。
ペンギン体操のよいところは、四十肩(五十肩)の痛みに合わせて行うことができることです。
いくつかの方法がありますが、全部を同時に行う必要はなく、痛みに応じて、できる範囲でやっていくだけでも結構な効果があります。
さらに、四十肩(五十肩)の予防にもなりますし、肩こりの人にもおすすめできる体操です。
ペンギン体操は完ぺきではないにしろ、四十肩(五十肩)にとって有効な体操です。
ぜひ積極的におこなってみてください!
四十肩(五十肩)に効果的なペンギン体操のやり方
四十肩(五十肩)に効果的なペンギン体操の具体的な方法や注意点について書いていこうと思います。
では、ペンギン体操のやり方から行きましょう。
四十肩に効果的なペンギン体操のやり方
まず、手の平を地面に向けて、腕をだらんと下ろします。
手の平を地面に向けたときの指の方向は、やや外を向く程度でよいでしょう。
手の下に台があるようなイメージで、腕を下に押し下げます。
この状態から、両肩を上げるように肩甲骨を上に上げます。
ひじを伸ばした状態で、肩甲骨を上下させてください。
この時の注意点としては「首の位置」に気を付けることです。
肩甲骨を上にあげたとき、ついアゴが前に出たような姿勢になりがちです。
アゴを軽く引いて、かつ腰を反りすぎずによい姿勢で行うように意識しましょう。
次に、下向きだった腕を真横に伸ばします。
肩の高さまであげたほうが良いとされていますが、実際に四十肩(五十肩)の人には、到底無理な角度です。
肩の高さよりも30度くらい斜め下くらい、かつ体よりも少し前に手が出てもOKです。
この状態から、左右の肩甲骨を付けたり離したりします。
肩甲骨同士を背中の真ん中に寄せるような感じでしょうか。
このとき、腕を後ろに下げずに、横にしたまま肩甲骨を動かす必要があります。
ペンギン体操の注意点は、痛みがあるようであれば、腕の高さを低くする、少し前に持っていくなどの対処が必要だということです。
痛みが強ければ、腕をあげずに降ろした状態で、肩甲骨同士を背骨に近づけるだけでも多少は効果があります。
最後に、今度は腕を正面前方に伸ばします。
この状態から、腕を前に突き出して背中を丸めます。
「前へならえ」のような状態でもよいですし、手を組んでもかまいません。
「前へならえ」が難しければ、高さを少し下げても構いません。
そこから、今度は、左右の肩甲骨を合わせるように肘を後ろに引きましょう。
このときには、胸を反らせるような感覚で行っみててください。
要するに背中を曲げたり、伸ばしたりの時に「肩甲骨」を外に引っ張る、内に寄せるという動きを合わせて行いましょう、というだけです。
このように、四十肩(五十肩)に対するペンギン体操は「肩甲骨」と「背中」をよく動かせる体操です。
痛みのない範囲で行えば、四十肩(五十肩)でなくても日常的に行ってもいいくらいのよい体操です。
ぜひ、一度チャレンジしてみてください!