四十肩(五十肩)にアイシング~冷やす効果はあるの?~

「四十肩(五十肩)で肩が痛いからアイシングはした方がいいですか?」

 

そんな話をよく聞きます。

 

昔と比べて、氷で冷やすアイシングは一般的にずいぶん浸透してきています。

 

果たして四十肩(五十肩)にとってアイシングは有効なのでしょうか?

 

答えとしては「時期による」です。

 

そもそもアイシングの難しい点は暖めるのと同様にメリットとデメリットがあることです。

 

四十肩(五十肩)の場合もメリットとデメリット、暖める場合と比べるとアイシングの方がベターです、という考え方でしょう。

 

それでは四十肩(五十肩)にとってアイシングが有効と考えられるのはどのような状況で、なぜなのでしょうか?

四十肩(五十肩)でアイシングが有効なときは?

まず、四十肩(五十肩)にとってアイシングが有効であるのは急性期です。

 

四十肩(五十肩)は、発症してしばらくすると徐々に痛みが強くなり、痛みのせいで動きがかなり制限されます。

 

さらに、夜眠るときにずきずきと疼くようになる時期があります。

 

このような時期にはアイシングは有効とされています。

 

肩の中で強い炎症が起きており、いわゆる「たんこぶ」のような状態になっていると考えられるからです。

 

この時期には無理をせず、1日に何度か繰り返して冷やす(アイシングする)方がよいとされます。

 

また、四十肩(五十肩)にとってアイシングが有効である場合に、急性期ほど痛みがなくても繰り返し腕を使った後があげられます。

 

痛みまではなくても、繰り返し肩を使うことで、小さな傷ができていることが多くいのです。

 

そのため、傷の修復を助けるためには、まずは冷やしたほうが良いでしょう。

 

野球のピッチャーが何十球もボールを投げた後に冷やしながらインタビューを受けているのを見たことはありませんか?

 

やはり、負荷をかけてすぐは冷やした(アイシング)方がメリットが多いためです。

 

アイシングと四十肩(五十肩)はあまりつながらない方が多いかもしれません。

 

しかし、先ほど書いたように野球のピッチャーが試合後に肩を冷やすことをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。

 

四十肩(五十肩)の急性期で強い痛みがある、肩が動かないわけではないけど繰り返し使った、などの時にはアイシングをお勧めします。

 

適切な対処をして四十肩(五十肩)をスムーズに治していきましょう!

四十肩(五十肩)にアイシング~どうやってやりましょう?~

では、四十肩(五十肩)にアイシングを行うときの注意点、対処などはどのようにすればよいのでしょうか?

 

そもそも、アイシングには勘違いが多くあります。

 

一般的な対処になってきたのは確かですが、間違ったことも広まっているようです。

 

例えば「冷湿布」はアイシングの代わりになるか?ということがあります。

 

もちろん、四十肩(五十肩)に対して湿布は有効ですが、アイシングとしての効果は皆無です。

 

冷湿布は、冷たい感じがするだけで実際に冷えているわけではないからです。

 

温湿布と合わせてご自身の好みで選んでいただくのが良いと思います。

 

また、保冷剤はアイシングに使うという方もおられるようですが、やめた方がよいといつもお話しています。

 

冷やすという効果はあると思いますが、皮膚表面が冷えすぎて、深いところに冷たさが伝わる前に凍傷になる恐れがあるのです。

 

どうしてもという場合は、タオルなどでくるんで使うことをお勧めします。

 

実際に、四十肩(五十肩)にアイシングを行う場合には、できれば肩全体を包むくらい大きなものがあった方が良いです。

 

なかなか難しいので、ビニール袋に氷を詰めたものを2,3個用意して肩全体を包むようにするとよいでしょう。

 

これは、初めは結構痛みがあるので、耐えられなければタオルなどを挟むとよいでしょう。

 

アイシングそのものは、四十肩(五十肩)に有効だと考えられていますが、実際に行うのが結構難しいという問題があります。

 

医療機関やスポーツのチームなどでは肩を冷やすための専用のものが使用されることもあります。

 

ご自身で四十肩(五十肩)にアイシングを行う場合、できるだけ肩を包むことを意識するとよいでしょう。

 

そのための、やや特殊な方法として、氷を使ってマッサージをすることも有効です。

 

やり方ですが、まず、紙コップに水をいれ、冷凍庫で凍らせます。

 

中の水が「氷」になったら紙コップを破いて氷を露出させます。

 

全部破らずに氷が出るくらいまで破ると持ち手ができるのでやりやすいでしょう。

 

その氷の部分を痛いところに圧迫を加えながらぐりぐりと回すように冷やすのです。

 

これは四十肩(五十肩)のように冷やしにくい部分を冷やすのに有効ですが、人の手を借りなければならないことがちょっと大変かもしれません。

 

アイシングは四十肩(五十肩)の急性期には有効とされますが、効果のほどは明確ではありません。

 

しかし、冷やしておいて損はない、と思っていただき、ぜひ試してみてください。

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