四十肩(五十肩)と腱板損傷~切れてる?切れてない?~
「四十肩(五十肩)と思って病院にいったら腱板損傷(けんばんそんしょう)といわれた」
・・・なんてことがあります。
腱板損傷という病名は、四十肩(五十肩)ほどは有名でないので、初めて聞いたというかたも多いのではないでしょうか。
腱板損傷は、文字の通り、「腱板」が「損傷」している状態です。
腱板とは、肩の関節を支えている4つの筋肉の総称で、いわゆるインナーマッスルといわれるものです。
この腱板は小さな筋肉ですが、これらがしっかりと働くことによって肩が安定しつつも大きな範囲動くことができます。
腱板が損傷することによって関節がグラグラし、余計に傷がつきやすい状況になってしまうのです。
ここでは、四十肩(五十肩)と腱板損傷との関係についてご説明します。
四十肩(五十肩)と腱板損傷のちがいは?
では、四十肩(五十肩)と腱板損傷のちがいは?といわれると、実はこれがすごく難しい問題です。
理由としては、人によって四十肩(五十肩)というものの一つの具体的な病態として腱板損傷を含めている人もいるということ。
また、四十肩(五十肩)を、明らかな損傷などなく肩に痛みが出るもの、腱板損傷を腱板が傷んだことにより肩に痛みが出るもの、と分けている人もいます。
そもそも、四十肩(五十肩)という病名がいわゆる俗称であって、医師が使う診断名ではなく、一方で腱板損傷は診断名として使われる。
そのような違いもあるので、比較することそのものが難しいのかもしれません。
さて、では肩に痛みがあった場合に、腱板損傷なのかどうかを見分けていくポイントについて書いていこうと思います。
これは、やはり力の入り方が重要なポイントとなります。
先ほども書いたように、筋肉が切れている状態なので、その筋肉が働く方向の力が入らなくなってしまうのです。
日常生活で言えば腕はあがるし、肩の動きも大丈夫だけど、ある特定の方向に物を持ち上げようとしたときにカクッと力が抜けるという感じです。
体の横の方に手を伸ばしてペットボトルなどの軽いものを取ったときに力が抜けてしまうなどが多くあります。
簡単なチェックとしては、500mlのペットボトルをもって、体の横から上に手をあげていったときに力が抜ける感じがあるかどうか。
小さく「前へならえ」して手を外から内に、内から外に押してもらい抵抗できるかどうかなどがあります。
しかし、腱板損傷は速やかな医療機関のチェックを行わないと、さらに損傷を広げる可能性があります。
なので、まずは医療機関の受診をお勧めします!
四十肩(五十肩)と腱板損傷~状況によっては手術も必要~
四十肩(五十肩)の治療をしていて痛みはなくなったが、全然力が入るようにならないなんて方がいらっしゃいます。
腱板損傷という肩の中の筋肉が傷んだ状態のことです。
ここでは、この腱板損傷とわかった場合の注意点などについて書いていこうと思います。
腱板損傷の怖いところは、腱板が傷んでいることでまたさらに腱板を傷めてしまう、というところです。
肩の関節を支えるのが腱板の役割なので、一部だけ傷むだけでも肩の関節は不安定になってしまうからです。
さらに厄介なこととして、痛みを伴わないケースもあるというところもあります。
腱板損傷があっても痛みなどの症状がない方もいらっしゃるのです。
もちろん、損傷の程度が軽いから、ということもありますが。
このような腱板損傷の場合、やはりさらに損傷を広げないようにすることが重要です。
基本は、痛みのある動作をしないことですが、物へ手を伸ばすような動作などに注意が必要です。
要するに遠くへ手を伸ばす動作、特に体の横や後方に手を伸ばそうとする動作はかなり危険です。
そのほかの注意点としてはやはり重いものは持たないことや反対側の手を必ず補助として使うことです。
ペットボトル一つでもひょいと片手で持ち上げるのではなく、反対側の手を使うほうが良いでしょう。
それくらい損傷している腱板は大事にすべきなのです。
状況によっては腱板損傷では手術が必要となります。
単に傷んだところをつなぐだけでなく、周りとうまく働ける状況になるまでは一切肩を動かせないのでできるだけ避けたいところです。
腱板損傷の場合、こうやって書いてきたように四十肩(五十肩)の基本的な注意点を守ることが基本となります。
しかし、もっとも重要なのはいかに早く腱板損傷が起きているかどうかを診断してもらうことです。
どうかな?と思っているうちにさっさと医療機関で検査してもらうほうが良いと思います。
まずは一度でいいのでキチンとチェックをしてもらいましょう!