四十肩(五十肩)なのに腕が痛い?~症状の広がりは様々です~
「四十肩(五十肩)は肩が痛いんですよね?今は腕が痛いんですが、四十肩(五十肩)とは違うのでは?」
・・・なんてことを耳にします。
四十肩(五十肩)というと、まさに肩が痛いだろうと思われるのは当然ですし、実際に痛みが出るのは肩中心です。
しかし、実は四十肩(五十肩)で困っている方と会うと「肩よりも腕が痛い!」と腕の横を抑えて、腕全体を抱えるようにしている方が多いのです。
そして、痛みの場所をうかがうと、肩から腕が痛い、または腕が痛いという方がとても多いのです。
では、四十肩(五十肩)で、なぜ腕まで痛いことがあるのでしょうか?
四十肩(五十肩)で腕が痛い理由は?
四十肩(五十肩)で腕が痛いという理由をご説明しましょう。
基本的に、四十肩(五十肩)は、肩の中で炎症が起こっている状態です。
肩のどこで炎症が起きているか、肩のどの組織が傷ついているかによって診断名が変わりますが、この炎症が腕の痛みに影響しています。
炎症は、そもそも組織が治るために必要な反応です。
傷んだところだけに起こればいいですが、肩の関節の袋や、潤滑油の袋で炎症がおこると、袋全体に広がってしまいます。
そのため、傷んだ場所より、さらに広い場所に痛みが広がってしまうのです。
また、四十肩(五十肩)で腕が痛い場合、上腕二頭筋や上腕三頭筋といわれる肘の曲げ伸ばしを行う筋肉も、肩を支える筋肉の一部であることが挙げられます。
その筋肉が傷んだり、炎症を起こすと、肩だけでなく肘くらいまで痛みが出たり、突っ張った感じがしたりしてしまうのです。
さらに、四十肩(五十肩)以外の問題も合併することもあります。
首の問題がある場合です。
頚椎椎間板ヘルニアなどで首の神経を刺激している場合、腕に症状が降りてくることがあります。
四十肩(五十肩)の場合、肩回りの筋肉が傷ついたり、ガチガチになったりすることがほとんどです。
その筋肉から症状が腕に広がり、腕が痛いということもあります。
そのため、肩の後ろのほうの筋肉を圧迫すると、腕に鈍痛が広がる方もいます。
四十肩(五十肩)で腕が痛い場合、症状の一つである場合もありますし、他の症状を合併している場合もあるということです。
四十肩(五十肩)でも腕が痛い場合~症状が広がる場合は慎重に~
では、四十肩(五十肩)で腕が痛い場合の注意点や、対策を書いていこうと思います。
四十肩(五十肩)で腕が痛い場合、肩の周りで起こる炎症が強い時期であることが考えられます。
そのため、炎症をどうコントロールするかが大切になります。
医療機関でチェックをしてもらい、痛みがかなり強かったり、支障が大きかったりする場合には注射という手があります。
嫌がる方も多いですが、痛みが強い場合にはかなり有効です。
その他では一般的な「消炎鎮痛薬」を飲む、湿布を使う、氷で肩の周りを15分程度冷やす、などが有効です。
逆に、お風呂も有効な場合もありますが、無理に暖めるよりゆったりとリラックスすることを目的とするくらい軽めに済ます方がよいでしょう。
日常生活では肩や腕が痛い動作をしないことはもちろん、腕の重さを何かに預けたり、机やひじ掛けに腕を置くことが大切です。
眠るときにも、枕やクッションで腕を支えてあげるとよいでしょう。
そのほか、四十肩(五十肩)で腕が痛い場合、首からきていることも考えられます。
この場合は神経の問題ですので、どれだけの影響があるか医療機関で確認しておくことをお勧めします。
もし、四十肩(五十肩)よりも頚椎椎間板ヘルニアなど、首からの問題の方が影響が大きい場合、ひどい時には手術が必要になることもあるからです。
神経の問題が起こると、治るのにかなりの時間を要します。
むしろ、四十肩(五十肩)よりも注意が必要なのです。
首からも来ている場合、首そのものを大きく動かさないことも重要です。
無理に固めて全く動かさないほどではないのですが、グリグリと首を回したり、あまり大きく反るような動作は避けた方が良いです。
四十肩(五十肩)にとっても首の問題にとっても、やはり姿勢の問題は大きくかかわります。
ですから、少し顎を引くような姿勢を意識したり、座ったときにおしりや腰にバスタオルなどを折って挟むなどして、よい姿勢を少しでも維持できるように努めてください。
四十肩(五十肩)で腕が痛い場合、基本はふつうの四十肩(五十肩)への対応と同じですが、症状が広がっている分さらに注意が必要です。
しっかりと、現在の状況を把握して適切に対処していきましょう!