四十肩(五十肩)と輪ゴム~こんなものでいいの?~
四十肩(五十肩)の治療の方法には様々あります。
その中でも、今回は輪ゴムを使った「筋力強化」の方法について書いていこうと思います。
輪ゴム?と思われるかもしれませんね。
四十肩(五十肩)に輪ゴム程度の負荷で筋力強化をしても意味ないんじゃないの?という声が聞こえてきそうです。
では、早速ご説明して行きましょう。
四十肩(五十肩)に輪ゴムが効果を発揮する理由
そもそも四十肩(五十肩)の治療に筋力強化が必要な理由ですが、いわゆる外見上の肩の筋肉を鍛えるという意味ではありません。
腱板といわれる肩の関節を支える深層の筋肉を刺激し、鍛えることが大切とされます。
むしろ、外から見える大きな筋肉は四十肩(五十肩)の時はあまり鍛えない方がよいともされています。
いわゆるインナーマッスルのみまずは鍛えたいということです。
強い負荷をかけてしまうと、人間の身体は力をより発揮できる筋肉に頼ろうとするので大きな筋肉にばかり負荷がかかることになります。
そうなると目的とする腱板には刺激が加わらず、大きな筋肉が固くなるだけなのです。
そのために輪ゴム程度の軽い負荷がむしろ必要になってきます。
一般的な筋力強化よりもより丁寧さが必要になるということですね。
輪ゴムを使った筋力強化は負荷量が適度であることと簡単にできることが最大のメリットではありますが、丁寧さが求められることは難しい部分です。
しかし、その丁寧さこそ四十肩(五十肩)の治療にとって非常によいのです。
また注意点のところでも書こうと思いますが、腱板を鍛えるときには姿勢の意識が非常に重要です。
筋力強化の際にはどうしても使っている腕や肩に意識が向きがちですが、四十肩(五十肩)で腱板を鍛える場合、むしろ姿勢の方へ意識を集中させる必要があるのです。
これは日常生活でも四十肩(五十肩)の予防や早く治すということのためにはとても重要なことなので、輪ゴムで腱板を鍛えているけれど、実は姿勢の練習をしている、ということもあります(もちろんそうだからしんどいんですが・・・)。
四十肩(五十肩)にとって輪ゴムという軽い負荷を利用したトレーニングは非常に有効です。
しかし、適切に正しく行わなければその効果はなくなってしまいます。
姿勢に気を付け、丁寧に行ってみましょう!
四十肩(五十肩)の輪ゴムエクササイズ~丁寧に丁寧に~
四十肩(五十肩)の治療の方法のひとつとして輪ゴムを用いたエクササイズがあります。
メディアでも取り上げられており、動画もあるようです。
実は、輪ゴムを用いた四十肩(五十肩)に対するエクササイズは取り立てて目新しいものではなく、1990年代にはもう書籍等で紹介されている方法です。
それが今でも残っているのですから、効果的であるという一つの根拠かもしれません。
さて、輪ゴムを用いたエクササイズの具体的な方法や注意点ですが、まずは輪ゴムを3つつなげたものを用意します。
真ん中の輪ゴムの両端にそれぞれ輪ゴムをくるっと通せばすぐに出来上がりです。
代表的な方法は、つないだ輪ゴムの両端を持ち(親指を入れるなどでもOK)、小さく「前へならえ」の姿勢から四十肩(五十肩)になった方の手を外にひねります。
このときに腕は体の横から離さないようにすることが大切です。
左右同時に手を外にひねっても構いません。
簡単そうですが、実はとても繊細な運動です。
まずは背中が丸くなっていないこと、顎が身体に対して前に出ていないことが重要です。
姿勢をきちっとして行うことの方が重要です。
さらに、思い切り輪ゴムが切れそうになるまで引っ張らないことです。
むしろ軽めにびよーんびよーんと輪ゴムがしなるくらいの範囲でリズミカルに行うことが大切なポイントです。
目的を思い出してみてください。
大きな筋肉は働かせずに、肩のなかの小さな筋肉だけを刺激したいのです。
そのためには軽めの負荷であることが必須なのです。
回数などについては明確なものはありませんが、極端な話100回でも1000回でもできるならやった方が良いと思います。
もちろん姿勢を崩さずにできる範囲の回数を設定し、何セットも休み休み行うほうが良いでしょう。
アレンジとしては、「小さく前へならえ」ではなく、よくある食卓程度の高さのテーブルで椅子に座って両肘をついた状態から肘を90度曲げて同じように外にひねると軸ができて行いやすいのでお勧めです。
このようにたかが輪ゴム、されど輪ゴムで四十肩(五十肩)にとって有効なエクササイズです。
まずはきちんとした診断を受けたうえで自宅で試してみてはいかがでしょうか?