四十肩(五十肩)と脳梗塞~実は結構よくあること~

四十肩(五十肩)になった方で、実はもともと軽い脳梗塞を持っていたという方がいらっしゃいます。

 

また、脳梗塞を発症し入院して治療を進め、麻痺が徐々に回復していったのちに四十肩(五十肩)になる、なんてこともあります。

 

では、四十肩(五十肩)と脳梗塞には、どんな関係性があるのでしょうか?

 

今回は、そのような四十肩(五十肩)と脳梗塞の関係について書いていこうと思います。

四十肩(五十肩)と脳梗塞の関係性は?

四十肩(五十肩)と脳梗塞の関係ですが、直接的な関連性はありません。

 

四十肩(五十肩)になったから脳梗塞になりやすいということはありませんが、脳梗塞の後遺症で四十肩(五十肩)になるリスクが増す、ということくらいはあるようです。

 

そもそも、脳梗塞は脳の中の血管が様々な理由で詰まってしまい、詰まった血管の先の脳の組織が損傷してしまうというものです。

 

この脳梗塞自体に誤解があることも多いのですが、基本的には完全に治ることはありません。

 

(どこまでかは詰まった血管の太さや脳の損傷の程度によります)

 

芸能人が脳梗塞から復活!なんて言われることがありますが、後遺症がある中で、ということを忘れてはいけないように思います。

 

さて、そんな脳梗塞の後遺症で四十肩(五十肩)になるリスクが増すということですが、脳梗塞の症状として、いわゆる麻痺があります。

 

頭から筋肉へ縮め、ゆるめ、という指令が行くのですが、そのコントロールがうまくいかなくなるわけです。

 

そのため、働いてほしいタイミングで筋肉が働かなかったり、本来は働かなくてよい筋肉まで働いてしまったり、なんてことが起こります。

 

脳梗塞発症してすぐは、全体的に筋肉が麻痺することが多く、軽い脳梗塞でも実は肩を支える筋肉がうまく力を発揮できない、という状況になっていることが多いです。

 

それでも肩を動かすことはできることもあるので、肩を支える筋肉は働きにくい状態で、肩や腕を動かそうとすると関節がグラグラする、うまく制御できない、というのは容易に想像がつくかと思います。

 

そのため、肩の中の組織を傷つけやすくなってしまうのです。

 

脳梗塞がだいぶ良くなり、回復した後も日常生活にほとんど影響のない状態でも肩の中の筋肉に実は軽い麻痺がある、ということもあります。

 

なので、こうなると四十肩(五十肩)になるリスクをずっと背負うことになります。

 

残念な話ですが、脳梗塞で麻痺があり、腕があまり動かせない時期に、医療機関でリハビリ等をすることがあるのですが、その場面で無理やり動かしてしまい、中の筋肉を実は傷めている、というケースもあるようです。

 

(もちろん配慮しておこなうことが前提なのですが)

 

この時期には麻痺があり、腕を動かせないので多少肩の中が痛んだにしても痛みが強く出るわけではありません。

 

そのため、患者さんも気づきにくいという難点があります。

 

もちろんリハビリ等で麻痺した腕を動かすことは絶対に必要なことなのですが。

 

このように脳梗塞になった場合には四十肩(五十肩)になるリスクは非常に大きくなります。

 

もちろん脳梗塞にならないことが一番なので健診などは定期的に受けるようにお勧めします!

脳梗塞のあとの四十肩(五十肩)~無理しちゃだめよ~

四十肩(五十肩)になった方の中で、脳梗塞の後遺症を持っている方や、脳梗塞になった後に四十肩(五十肩)になったという方がいらっしゃいます。

 

ここでは、そのような脳梗塞で四十肩(五十肩)になった場合や、その2つが合併している場合の注意点や対処について書いていこうと思います。

 

注意点を書く上で非常に重要なことなのですが、まず大前提として脳梗塞になってしまった場合、その麻痺の症状が完全に治ることはないということがあります。

 

どうしても治ると思ってしまう方が多いのですが、完全に治癒することはありません。

 

もちろん、脳梗塞の程度に左右されはしますが、一度血管が詰まり、影響を受けた脳の組織は二度と回復はしません。

 

ただし、リハビリ等によって腕が動かしやすくなったり、日常生活で困らなくなったりする、ということはあります。

 

脳梗塞で四十肩(五十肩)になった場合、最も怖いのは肩を支える筋肉が麻痺の影響でうまく働きにくい、ということです。

 

四十肩(五十肩)になる場合、ただでさえ、肩の中の筋肉である腱板を傷つけて働きが悪くなるのに、脳梗塞の影響でさらに腱板が働きにくいとなると、治りも悪くなって当然です。

 

そのため、ただの四十肩(五十肩)よりも、もっと腱板を傷めないような注意が必要になります。

 

簡単な注意としては、体の横に手を伸ばさない、そもそも遠くに手を伸ばさないようにする、などです。

 

重いものを持つのも、できる限り避けた方が良いと考えられます。

 

動かす練習は、ぜひぜひした方がよいです。

 

しかし、まずは痛みのない範囲で、という原則をちゃんと守れるかが重要です。

 

肩甲骨周りの筋肉は、比較的脳梗塞による麻痺の影響を受けにくいため、肩甲骨を柔軟に動かす体操を行っておくことも非常に大切なポイントかと思います。

 

四十肩(五十肩)と脳梗塞が併発している場合、まずは脳梗塞に対する治療を医療機関で適切に受けながら、四十肩(五十肩)に対する注意点をきっちりと守る、という基本的なことが大切になります。

 

まずは医療機関で脳梗塞の状態をきちんとチェックしながら、四十肩(五十肩)への対処を勧めていきましょう!

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