四十肩(五十肩)と癒着~動かないんです~
四十肩(五十肩)になった場合、強い動きの制限が出ることがあります。
医療機関では「癒着がある」ということで、少しずつリハビリしましょうなんて言われることが多いのではないでしょうか。
そもそも「癒着」という言葉自体、耳慣れない方も多いかもしれません。
癒着とは、いわゆるある組織と、そのすぐ隣にある組織がベッタリとくっついてしまうような状態です。
雑なイメージとしては、古いガムテープをはぐ時のようなネチネチした感じでしょうか。
今回は、四十肩(五十肩)が癒着を起こした場合の原因や対処法について書いていきたいと思います。
四十肩(五十肩)が癒着するのは良くあること?
実は、四十肩(五十肩)で癒着がある、ということは珍しいことではありません。
最もよくあるのが、「滑液包(かつえきほう)」といわれる骨と筋肉の間や、筋肉同士の間にある潤滑油の袋が炎症により腫れてしまい、その周りの組織と癒着することです。
四十肩(五十肩)の場合では「肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)」といわれる袋と、周りの筋肉が癒着を起こすことが非常に多いです。
軽い癒着であれば、腕があがりにくい、脇をしめると肩が下がったようになり痛い、などの症状のみです。
癒着している範囲が肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)だけにとどまらず、肩の後ろや肩の関節の下付近の関節包と周りの組織が癒着を起こすと、非常に強い動きの制限を出すことが知られています。
腕を挙げても、肩の高さくらいまでしかあがらない、外にひねろうと思っても全くひねれない、反対側の肩を触ろうにも触れない、など強い制限が出てしまうこともあります。
四十肩(五十肩)の癒着により、あまりにも強い制限がある場合、時には「手術」が選択されることもあります。
癒着を手術によって剥いで行くのです。
まさに、ガムテープを手術によってベリベリとはいでいくような感じでしょうか。
四十肩(五十肩)の癒着は非常に強い痛みがある時期のあとに起こることが多く、やはり炎症が起きたことが影響していると考えられています。
動きの制限があることは非常に困るのですが、せめてもの救いとしてはこの時期には痛みが強くないことが多いということです。
もちろん無理やり動かせば痛いのですが。
癒着を起こした場合は、無理やり動かしてもいいことは決してありません。
まずは、どのような状態かをきちんと専門家に判断してもらい、ゆっくりと動かしていってみてください!
四十肩(五十肩)が癒着して動かない~焦らずゆっくりゆっくり~
四十肩(五十肩)になったときに強い動きの制限が出てしまい、肩の中で癒着がおこっている、と診断されることがあります。
とても珍しいというわけではなく、肩の強い痛みがおさまった後によくある症状の一つです。
ここでは、そんな四十肩(五十肩)で癒着が起こってしまった場合の注意点や対処について書いていこうと思います。
四十肩(五十肩)で癒着が起こってしまった場合、何よりも大切なのは「無理やり動かさないこと」です。
癒着のせいで骨の動きが適切に起きず、無理に動かすと骨同士がこすれるだけになってしまうのです。
さらに癒着しているのが筋肉であることも多く、無理に引っ張ると筋肉を傷めてしまうこともあります。
こうなると、また四十肩(五十肩)による炎症が強く起きてしまい、結局最初に戻ってしまうことになるのです。
癒着が起きている場合には、特に動きの制限が強い方向とそうでない方向が分かれることが多いです。
なので、制限が強い方向に無理に動かすよりも、動かしやすい方向をまずはゆっくり痛みのない範囲で広げていく方がリスクが少なく、効果も高いと思います。
四十肩(五十肩)で癒着がある場合の対処ですが、基本的にはじんわりとストレッチすることが大切です。
単純に、タオルや棒を持って万歳をするというだけでも実は有効です。
もちろん多少の痛みを伴うことはありますが、無理しておこなっては逆効果なのでゆっくり、じんわりが重要です。
腰の後ろで手を組み、肘を伸ばしてゆっくりと腕を後ろにもっていくようなストレッチもよいでしょう。
特にこの方法が一番!ということはないのですが、強い痛みのない範囲でゆっくりじんわりと体操を行う、ということがわかっていれば、いろいろと試してみるのが良いと思います。
また、四十肩(五十肩)の癒着の対処としては、ゆっくりとストレッチを行った後は必ずだらんと脱力をすることが大切です。
無理のない範囲では動かすようにすることもよいでしょう。
筋肉は伸ばした後は使うことで、さらに柔軟性が増していきます。
ただ柔らかくするだけではだめなのです。
伸ばしたらちょっと使い、を繰り返すとよいでしょう。
四十肩(五十肩)で癒着が起こってしまった場合の動きの制限を改善するのは結構大変です。
適切な対処を知って、確実に治していきましょう!