四十肩(五十肩)と夜間痛~何もしていないのに・・・~
四十肩(五十肩)の特徴的な症状の一つとして夜間痛があげられます。
この夜間痛は、四十肩(五十肩)の症状の中でもかなり苦しいものです。
はじめは大したことはないと思っている方でも、夜間痛が出始めてはじめて医療機関などを受診する、ということが多いようです。
夜間痛は、四十肩(五十肩)の症状の中で比較的よく知られた症状ではありますが、実は勘違いも多くあります。
本当の夜間痛は、腕や肩を動かしていなくてもズキズキと疼くような痛みを出すことをいいます。
夜中に「寝返り」をうつときに痛みがあるとか、トイレに立った時に少し動かしたら痛いとか、こういった症状は夜間痛とは呼びません。
眠っていて何もしていなくても疼いてしまい、目が覚めるくらいである、というのが夜間痛と呼んでよいでしょう。
四十肩(五十肩)で夜間痛になった場合の症状
さて、四十肩(五十肩)の夜間痛は「夜間」とはいいながら明け方に強くなるという方が多いです。
また、痛い方の肩を下にしてしまうと余計に痛みが強くなるという傾向が強いと思います。
この夜間痛は、実際のところ原因ははっきりとはわかっていません。
四十肩(五十肩)の痛みの強い時期に伴って出ることはわかっているのですが、原因は不明というのが主流です。
それでもいくつかの説はとなえられています。
一つは、血流やリンパの流れが滞ることです。
夜眠っているときは、どうしても動きが少なくなり、体温も下がります。
そのため、炎症を起こしている四十肩(五十肩)への血流不足、リンパ不足になり、それが夜間痛を引き起こすと考えられています。
もう一つの原因としては、肩回りの筋肉が寝る姿勢によって引き延ばされて痛みが出る、というものです。
この筋肉が引き延ばされて、という説明は非常にわかりやすいように思えます。
しかし、四十肩(五十肩)における夜間痛というのは四十肩(五十肩)の一部の時期だけに出ることが多いため、本当の原因としては説明不足のように思います。
最近の研究などにより、新たな説として挙がっているのがモヤモヤ血管です。
四十肩(五十肩)はだらだらと炎症が続くのでそれによって新しい毛細血管が網のようにできてしまい、炎症を起こす範囲を正常よりも広くしてしまうというものです。
夜間痛は、四十肩(五十肩)のなかでもとてもつらい症状です。
まずは医療機関を受診して適切な対処を受けることをおすすめします。
夜間痛の時期の四十肩(五十肩)~本当につらいんです~
四十肩(五十肩)の症状の特徴的なものとして夜間痛は、先ほども書いたようにその原因ははっきりはしていません。
しかし、四十肩(五十肩)になって間もない時期に夜間痛が最も強いことから、炎症との関連があるだろうといわれています。
そのため血流やリンパの状態をいかにスムーズにするかが対処の中心になる、と考えられています(しかし、現状では血流に対する注意をしても効果のあるなしが人によって分かれていることは知っておいてください)。
さて、夜間痛への対処ですが、最も大切だと考えられているのはポジショニングです。
つまり、肩、腕の位置をどのようにするかです。
最もポピュラーで効果があるといわれるのは四十肩(五十肩)になった方の肩を、上にして眠ることです。
さらに、大きめのクッションを抱っこする、加えて四十肩(五十肩)になった方の腋に小さめのクッションを挟む、などが効果的とされています。
特に、特殊なクッションを買う必要はなく、布団を丸めて代わりにすることもできるので試してみる価値は十分あろうかと思います。
仰向けで眠る場合は、おへそのうえに手を乗せて眠るとよいといわれます。
さらに、肩から肘にかけて全体を支えるようにクッションやバスタオルを折ったものをいれてあげると、腕の支えとなってリラックスできるようです。
筋肉の緊張を和らげたり、血流をよくしたり、という目的で温めたり、冷やしたりすることも効果的といわれています。
さて、どちらがいいかというと正直よくわかっていないです。
医学的には、炎症の強い時期には冷やしたほうがよいとされています。
なので、夜間痛があるときには寝る前に氷で肩回りを20分程度冷やしてから寝るようにするのが初めに試すことかと思います。
しかし、冷やしてもあまり変わらない場合、逆に温めてから眠ってみるのもありだと思います。
実は、時期によっては、温めた方が楽になることも多いからです。
注意点は温めた後、冷やした後、翌日に痛みが増してしまわないかどうかです。
こうあるべきだ、と決めつけずにいろいろと試してみるとよいでしょう。
対処についていろいろ書きましたが、夜間痛があるということは四十肩(五十肩)としては最もひどい時期にあると考えられます。
そのため、あまり自己判断で対処を行うことはおすすめしません。
医療機関で注射や内服などの治療を積極的にするべきだと思います。
まずはご自身の状態をきちっと診断してもらい、いろいろな対処を行ってみてはいかがでしょうか?