四十肩(五十肩)と糖尿病~やっぱりよくない?~
四十肩(五十肩)は、発症する年代からすると30代~50代という(2型)糖尿病などの生活習慣病にかかりやすい年代にもあたります。
そのため、糖尿病と四十肩(五十肩)には関連性があるのか?という話を耳にすることがあります。
実際のところ、糖尿病すなわち高血糖であることと四十肩(五十肩)には、どこまで関連性があるのでしょうか?
ここでは、四十肩(五十肩)と糖尿病との関連性についてご説明します。
四十肩(五十肩)と糖尿病の関係性は?
四十肩(五十肩)と糖尿病の関連性は、はっきりとはわからない、というのが答えです。
しかし、おおむね高血糖であれば、四十肩(五十肩)になりやすいのではないか、という見解が主流となっています。
実際に、糖尿病で高血糖の状態があれば、体のなかで様々な障害を引き起こします。
血管の柔軟性が失われ、動脈硬化が進行する、関節の線維化が糖尿病患者では多い、などいろいろなことが事実としてわかっています。
さらに、柔軟性が失われやすいのは筋肉も同じです。
この点から言うと、糖尿病であれば、四十肩(五十肩)になりやすい、と言っていいのではないかと思います。
さらに、糖尿病の厄介なところは、循環不全の影響などにより炎症が起きてもだらだら長引いてしまったり、傷の修復が遅くなったりしてしまうということです。
四十肩(五十肩)でも、肩を支える筋肉である腱板が傷つくことがあり、腱板以外にも肩の様々な場所で炎症を起こすことがわかっています。
糖尿病があれば、そのような肩の関節の中での炎症が長引くことになり、治るのも遅くなってしまう可能性が高いのです。
治療的にも、あまりに痛みが強い場合は注射を打つのですが、ステロイド剤などの薬剤によっては血糖をあげてしまうものもあります。
そのため、糖尿病の方には使用できない、なんてこともあるのです。
このように、糖尿病があれば直接的に四十肩(五十肩)になりやすいというよりも、四十肩(五十肩)のリスクを高めたり、治っていく過程を阻害することが多い、と考えておく方がよいでしょう。
四十肩(五十肩)も糖尿病も、日ごろの生活習慣で予防、改善していけるものです。
現在の自分の状態をきっちりと把握して、生活習慣の改善を目指してみてはいかがでしょうか?
糖尿病で四十肩(五十肩)~ただでさえ治りにくいのに~
四十肩(五十肩)と糖尿病は直接的な関連はわからないが、糖尿病があることで四十肩(五十肩)になりやすくなったり、治る過程も阻害することは前述しました。
さて、それでは糖尿病で四十肩(五十肩)になった場合、どのようなことに注意すればよいのか?
または、四十肩(五十肩)の予防のために、どんなことに配慮すべきなのかを書いていこうと思います。
当たり前ですが、まずは糖尿病のコントロールが不可欠です。
生活習慣を変えましょう!なんて簡単に言ってそれが出来るのであれば苦労はしません。
まずは、きちんと医療機関で検査を定期的に受けてコントロールしていくことをお勧めします。
糖尿病の疑いがあって四十肩(五十肩)の場合、気にすべきことは「傷が治りにくい」ということです。
ただでさえ、四十肩(五十肩)は治るのに時間がかかるものです。
それに加えて糖尿病の影響でさらに治るのが遅くなってしまうのは大きな問題です。
そのため、四十肩(五十肩)になってしまった後に、さらに傷めてしまうような動作をいかに避けることができるかが大切になります。
例えば、体の横に手を伸ばす、腰に手を回す、などの動作をどれだけ避けることができるかなどです。
糖尿病があれば、運動が勧められるが、負荷は考えないと逆に壊すことになります。
四十肩(五十肩)になった後の運動に関しても慎重にどれだけの疲労感が残るのか、運動をした翌日の調子はどうかなど気にしながら行っていくべきかと思います。
運動といっても、四十肩(五十肩)の痛みが出ない範囲でウォーキングをしたり、体全体を動かすような体操が良いでしょう。
四十肩(五十肩)と糖尿病は直接的な関連はわからないにしても大きく影響はしあっています。
まずは現在の状態を把握して、適切な対処を考えていきましょう!