四十肩(五十肩)と葛根湯~風邪の時に飲むんじゃないの?~

四十肩(五十肩)への対処は西洋医学が一般的ですが、葛根湯とかの漢方は効くんですか?という話もよく耳にします。

 

一般的に、葛根湯と言えば、風邪や肩こりのときに飲む薬というイメージが強いと思います。

 

では、四十肩(五十肩)に対しての効果は、どうなのでしょうか?

 

ここでは、漢方の中でもよく耳にする「葛根湯」が、四十肩(五十肩)に効くのかどうか?ということについて書いていこうと思います。

四十肩(五十肩)と葛根湯~使い方次第?~

四十肩(五十肩)に葛根湯がどうなのかを話す前に、まずは漢方の話から行きましょう。

 

そもそも漢方は東洋医学の薬になります。

 

西洋医学とは異なり、体の不調を血(水)や気の流れが滞ったり、過剰だったりすることで全身のいろいろな場所に症状がでる、という考え方です。

 

特に、四十肩(五十肩)は、が弱っているものだとの考え方です。

 

この腎というのは腎臓だけでなく、成長、老化といった年齢を重ねるものを示しています。

 

つまり、「腎」をしっかりとしておけば、年をとっても体は若々しく健康で過ごせるというのが、漢方の考え方です。

 

そして、「腎」を強くするために必要なのが漢方薬と言われます。

 

さらに、この腎を強くするために必要な漢方薬の一つとして葛根湯があります。

 

葛根湯は、主に炎症を抑える効果があるため、四十肩(五十肩)のような炎症が付きまとうものには、急性期であれ、慢性期であれ有効であると考えられています。

 

さて、四十肩(五十肩)にとって葛根湯は有効かといわれると実は難しい質問になります。

 

その理由としては漢方薬だからです。

 

「???」と思われたかもしれませんが、東洋医学の一番の利点であるその人その人に合わせた漢方薬を組み合わせて使う、ということが原因です。

 

四十肩(五十肩)というのはあくまで結果であり、その人ごとになってしまう血の巡りや気の状態は異なる、というのが東洋医学の考え方です。

 

なので、同じ四十肩(五十肩)といっても葛根湯が効く場合もあれば、それ以外の漢方が有効であったり、組み合わせによって葛根湯が活る場合もあります。

 

そのため、四十肩(五十肩)という結果に対して葛根湯が効くか?といわれると

 

「効く人もいますよ、たぶん葛根湯はいいですよ」・・・という程度の回答になってしまうのです。

 

葛根湯は非常に優れた漢方です。

 

しかし、結局のところ四十肩(五十肩)に限らず、その人に合わせた漢方を使えるかが大切です。

 

もし四十肩(五十肩)に漢方を試すなら、一度は漢方の専門家に相談するのがよいのではないでしょうか?

四十肩(五十肩)と葛根湯~それしかないの?~

四十肩(五十肩)にとって漢方は有効な面もあり、葛根湯はその代表的な漢方であるということを先に書きました。

 

ただし、葛根湯だけが漢方ではなく、それ以外にも四十肩(五十肩)に有効な漢方もありますし、漢方の使い方にも注意があります。

 

今回はそのようなことについて書いていこうと思います。

 

漢方薬の中で葛根湯以外に四十肩(五十肩)に効果的だと言われているのは、二朮湯(にじゅつとう)というものです。

 

四十肩(五十肩)の痛みだけでなく、肩や腕のしびれに対しても有効であるとされています。

 

その他に効果があると言われているのが、以下のようなものです。

 

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
  • 五積散(ごしゃくさん)
  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

 

それぞれが効果的と言われ、どれも身体を温めて痛みや炎症を和らげるといったものです。

 

このような漢方は、体を温める効果があるため、どちらかといえば長引いた四十肩(五十肩)に効果がよりあるとされています。

 

もちろん急性期にも効果がありますよ。

 

実際に、葛根湯をはじめ漢方を使うときに注意すべき点としては、まずは続ける、ということが挙げられます。

 

1か月続けたくらいでは短く、少なくとも3か月程度は続ける気持ちで葛根湯などの漢方をはじめるとよいでしょう。

 

また、先ほども書いたように体質やその人の状態によって同じ四十肩(五十肩)でも、まるで違う対処になります。

 

そのため、漢方の専門家に状態をみてもらってから適切な漢方をチョイスすることが大切でしょう。

 

体質に合わないものをいくら飲んだところで、それは体にとってプラスには全くなりません。

 

このように、葛根湯をはじめとする漢方には様々なものがあるとともに、いろいろな疾患に適応できます。

 

西洋医学での薬もおなじですが、あくまで症状を軽くするための漢方や薬であります。

 

そのため、治る力をしっかりと高めるように生活習慣から見直すのもよいでしょう。

 

長い四十肩(五十肩)の痛みですので、漢方の利用もぜひとも考えてみてください!

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