四十肩(五十肩)を防ぐには?~できればなりたくない~
四十肩(五十肩)を防ぐことはできるのか?
これって実は、とても難しい問題です。
実際のところ、四十肩(五十肩)を防ぐことは「できない」とされています。
もちろん、何をもって四十肩(五十肩)というか?という問題があるので、防げるものと防げないものがある、という理解でよいと思います。
ここでは、四十肩(五十肩)を防ぐことについて様々な話をしていこうと思います。
四十肩(五十肩)で防げるものと防げないものがあるのはナゼ?
では、なぜ四十肩(五十肩)には、防げるものと防げないものがあるのでしょうか?
防げない四十肩(五十肩)としては、「肩関節周囲炎」といわれる、特に、誘因もなく肩の中で炎症が起こってしまうものがあります。
目立った外傷もなく突然起こるものなので、防ごうと思って防げるものではありません。
さらに「石灰沈着性滑液包炎」も、石灰が溜まる理由は分かっておらず、ある日突然、肩に激痛が走るようになるということがほとんどです。
四十肩(五十肩)は俗称であり、実は様々な病態があります。
そして、そのうちのいくつかは原因がわかっていないため、予防しようがないとされているのです。
ただし、四十肩(五十肩)は防ぐことができないと言いつつも、その一部の病態は防ぐことができるとされています。
それは、腱板が傷ついて起こるものや、関節唇と言われる肩の関節の受け皿の周りにあるパッキンのようなものが傷つくこと。
あと、上腕二頭筋長頭腱と言われる「力こぶの筋肉の腱」が傷つくことなどは、防ぐことができる可能性があります。
これらの組織は、転んだり、打撲をしたり、なんてこと以外でも、日常生活の些細な動作でも傷つくことがあります。
このような部分に関しては、生活習慣や普段からの身体のケアによって防ぐことができる可能性があります。
もちろん、完全にとまでは言いませんが、防ぐための方法を知っておくことで、四十肩(五十肩)になったときも、より早く治す手助けとなることは間違いありません。
四十肩(五十肩)を防ぐことは非常に難しいことですが、できることはあります。
そして、少しでも症状が出たら、すぐに専門家に相談することをお勧めします!
四十肩(五十肩)を防ぐためにできること~どうすれば良い?~
では、四十肩(五十肩)を防ぐために、できる限りの方法をお伝えしていこうと思います。
しかし、知っておいてほしいのは、繰り返しになりますが、四十肩(五十肩)を完璧に防ぐ方法などないこと。
そして、防ぐために意識することは、四十肩(五十肩)になった後でも、継続して注意しておこなうことで、治すための一助となるということです。
四十肩(五十肩)を防ぐために重要なことは、日々の生活習慣の中での「腕の使い方」です。
単に重いものを持たないようにする…などとは違って、大切なのは腕を動かす、扱う方向です。
基本的に「体の正面で腕を動かすこと」…これが最も大切なことです。
肩にとって、腕を横に開く、体の後ろに持っていくということは、非常にハードルの高いことです。
そのため、肩を支える筋肉には、非常に大きな負担が強いられます。
特に、重いものを持っていなくても、腕自身の重さを支えるのにも結構な負荷がかかるのです。
ですから、横にある物を取ろうとする時でも、体を捻じって体の正面から取りに行こうとする習慣が大切です。
左腕でいえば、車の助手席のものをとる、後部座席のものをとる、なんていう動作が、四十肩(五十肩)になりやすい動作になります。
同じような理由で、物を取る時には、体の近くで取るようにすることも大切です。
無理に腕を伸ばして物を取ろうとするより、一歩近づいて「体との距離」を知覚してから取るようにする方が、肩への負担はかなり軽減されます。
その他、四十肩(五十肩)を防ぐための方法としては、背中や肩甲骨の「可動性」をしっかりと確保することがあります。
姿勢が悪い状態でバンザイをしてみると腕が挙がらないことは、試せばすぐにわかると思います。
単純に、肩甲骨を普段から回したり、背中を曲げたりのばしたりしてみる、そんな何気ない体操が、実は四十肩(五十肩)を防ぐことにつながるのです。
腕を挙げるときも同じで、腕を無理やり上げようとするよりも、背中を伸ばすような気持ちで、そのあとに腕が挙がってくる…くらいの気持ちを持つとよいと思います。
四十肩(五十肩)を防ぐということは非常に難しいことです。
しかし、日ごろから肩への負担を軽減するような習慣をつけておくことで、四十肩(五十肩)になるリスクを減らすことができるのです。
そして、四十肩(五十肩)になったあとにしても、治りを早くするために必要な習慣となります。
日ごろから肩への負担を減らすような習慣を身に着けて、できる限り四十肩(五十肩)を防いでいきましょう!