四十肩(五十肩)のきっかけについて
「四十肩(五十肩)って言われたんですが、きっかけが思いつきません。重いものを持ったり手を動かしたりすることはあまりないのに…。」
なんて話をよく聞きます。
四十肩や五十肩というと、重いものを持つとか、無理に動かすとか、転んで手をひねるとか、そんなきっかけがあるだろうと思う方がほとんどのようです。
しかし、実は、四十肩(五十肩)は、きっかけがなく起こることが多いのです。
もちろん気づかないだけで、実は四十肩(五十肩)になりえるきっかけが生活の中に散らばっているのですが…。
ここではそんな四十肩(五十肩)のきっかけについて書いていこうと思います。
四十肩(五十肩)のきっかけは全くないの?
四十肩(五十肩)のきっかけは、全くないと言ってよいのでしょうか?
病院で診断される「肩関節周囲炎」といわれるものは、きっかけがないとされています。
ですので、厳密にいうと「きっかけがある」と言ってしまうと間違っていることになります。
ところが、一般的に四十肩(五十肩)といわれるものでも肩関節周囲炎でも、きっかけとなりえるものはあるというのが、医学の分野でも経験で言われています。
生活上で多いのが、手を体の横に伸ばすような動作がきっかけとなりやすいといわれます。
例えば、車の運転席から窓を開けて駐車券をとるような動作です。
また、お風呂で頭からシャワーを浴びながら、横のシャンプーに手を伸ばすなどですね。
その他のきっかけとなる動作では、シートベルトをとる動作のようなひねる動作で痛めるケースが多いです。
着替えの途中で痛めたり、車の後ろのシートのものを取ったりなどもそうです。
意外なところで多いのが、犬の散歩などで引っ張られることや、車の運転がきっかけとなります。
犬が突然走り出してリードを一気に引っ張ったときに、腕が一気に引っ張られることがあります。
その際に、肩の中の筋肉を傷めてしまうのです。
車の運転については、厳密にいうと運転しているだけで痛めることはありません。
しかし、運転しハンドルを持っている時間が長いと、肩回りの筋肉は思った以上にガチガチに固まってしまいます。
運転中に肩を動かすことはほとんどないのですが、思った以上に肩回りが硬くなります。
そのため、その状態でシートベルトを取るためにひねったり、後ろに手を伸ばしたりという動作が加わると一気に肩を痛めることになるのです。
ちょっと手を伸ばす、ちょっとひねる、そんな簡単な何気ない動作が四十肩(五十肩)のきっかけとなります。
四十肩(五十肩)のきっかけ~何に気を付けるか?~
四十肩(五十肩)のきっかけとなる動作には、様々なものがあります。
そして厄介なことに、それは多くの方にとってみれば、「変わったことはしていない」「きっかけは何もない」といった動作なのです。
四十肩(五十肩)のきっかけとなる動作で、最もわかりやすいのが、車を運転している時の動作です。
シートベルトを取る動作は右手をひねりながら後ろにもっていきます。
これらの動作は肩の中の筋肉を傷つけてしまいやすい動作です。
野球のボールを投げる動作の繰り返しで、肩を傷める選手がいるのも、同じ動作によるものです。
難しいかもしれませんが、左手でシートベルトを取るようにするだけでも、かなり予防になります。
さらに運転の際の動作でわかりやすのが、後ろのシートにある物に手を伸ばす動作です。
運転以外でも座っていて横に手を伸ばす動作や、少し後ろのほうに手を伸ばす動作は結構あるものです。
この位置で、軽くても物をもつというのは肩にはものすごく負担なのです。
運転中は難しいかもしれませんが・・・
- 遠くに手を伸ばすよりは一歩近づいて物を取る
- 体の横に手を伸ばすのは避ける
- 体全体を取りたい物の正面に向ける
- 物を体の前で取るようにする
これだけでも、ずいぶんとリスクを減らすことができます。
それ以外の運転中の動作でいえば、運転してハンドルを操作していることが結構なリスクとなります。
ハンドルを回すことそのものは肩への負担は少ないのですが、長時間ずっとハンドルを持ったまま、というのは肩の筋肉にとっては疲労が溜まりやすい動作なのです。
日常でもパソコンを長時間使う、座った状態、もしくは仰向けで本を(持ち上げて)読む、といった手を空中に浮かしておくような習慣は肩の筋肉をがちがちにしてしまうのです。
そうして運転が長くなる、パソコンを長く使う、などすべて姿勢もだんだんと悪くなってしまいます。
その肩回りの筋肉ががちがちになり、姿勢が悪くなった状態からふと手を動かすと、肩の中の筋肉を傷つけやすくなってしまうのです。
日常の何気ない動作が、四十肩(五十肩)のきっかけとなってしまいます。
適切な動きでしっかりと予防していきましょう。