四十肩(五十肩)で音が鳴るのは?
「最近、肩を動かすと音がなるんです、四十肩(五十肩)といわれる前からしょっちゅう肩に音がなっています」
なんてことは、よく耳にする話です。
肩を動かす時に音が鳴ることは、四十肩(五十肩)でなくてもよくある話ですが、実は初期症状のひとつかもしれません。
そもそも音が鳴るということはどういう状況なのでしょうか?
四十肩(五十肩)と何か関係があるのでしょうか?
ここでは、四十肩(五十肩)と、肩から音が鳴ることの関係についてご説明します。
四十肩(五十肩)で音が鳴る理由は?
四十肩(五十肩)で、肩から音がするという理由は、何でしょうか?
まず、四十肩(五十肩)で肩を動かして音が鳴ると言うと、多くの方が「骨と骨がこすれる」ということを想像するのではないでしょうか。
しかし、実際には、骨と骨とがこすれるくらいの状況は、よほどのことがない限り起きません。
骨がこすれる前に、肩の関節を包む袋や筋肉、潤滑油の袋など、様々なものがこすれることの方が圧倒的に多いのです。
そもそも、音が鳴る原因は、肩を支える筋肉が傷つくなどでうまく働けない、姿勢が悪いなどのことで肩の関節がうまく動かないことが考えられます。
中には、まるで楽器のように肩をちょっと動かすだけでパキパキと音がなっている方もいらっしゃいます。
しかし、音が鳴ることで厄介なのが、音が鳴るからと言って痛みが必ず出るわけではない、というところです。
四十肩(五十肩)であれば音が鳴りやすいのは事実です。
しかし、痛みが必ず伴うわけではない、そして逆に音が鳴るからといって必ず四十肩(五十肩)になるわけではないのです。
特に痛みのない場合でも音が鳴ることは多いのですが、痛みとリンクしていないということは、とても難しい問題です。
むしろ、音が鳴っても痛みがないことが多いので、そういった方はいわゆる「放っておく」という対処になりがちなのです。
そのため、痛みが出る前から適切な対処を行うことが四十肩(五十肩)、特に音が出る場合には大切となります。
つまり、音が鳴ることがすべて危険な兆候ではない。
しかし、音がなるということは様々な危険をはらんでいること。
そのため、肩を動かす時に無理して音が鳴らないようにすることなどが、とても大切なポイントとなります。
四十肩(五十肩)で音が鳴るときの注意点は?
四十肩(五十肩)の方に話をよくよく聞くと、四十肩(五十肩)になる前から、肩から音がなっていた、音が鳴る頻度が多くなった、などという話を聞きます。
先にも書きましたが、音が鳴ったからといって必ず四十肩(五十肩)になるわけではないのですが、なるリスクは大きいと考えてよいでしょう。
では、音が鳴る場合の対処や注意点としてはどのようなものがあるのでしょうか?
基本的に肩で音が鳴る、ということは肩の関節がうまく動いていない、骨の位置がわずかにずれている、隙間が狭い、などが考えられます。
ただし、骨の隙間が一気に広がることはないですし、わずかに骨の位置関係がずれたものも、すぐには修整されるものでもありません。
そのため、普段よりさらに肩に負担をかけるような動作に注意する必要があります。
大原則として、あえて音を鳴らすような動作はしないことも重要です。
音が鳴っている時点で、肩の中で何かしらのものがこすれている状態なので、それをあえて繰り返すことは傷口に塩を塗るのと同じことになります。
肩に音が鳴る場合、四十肩(五十肩)になるリスクは高くなりますが、特に多いのが髪を結ぶ、ドライヤーをかけるなどの動作です。
手をあげた状態でひねったり、後頭部にもっていったりという動作は、肩の中の擦れる状態をひどくしてしまうのです。
このような場合、あまり激しく手を動かさないように行うことや、肘が外に大きく開く使い方はしないことが大切です。
また、日常の動作全般に言えることですが、四十肩(五十肩)で音がする場合、姿勢の問題は大きくかかわってきます。
肩甲骨が、背中から見て外に開いている状態や、背中が曲がった状態で手を上げようとすると、正しい姿勢よりもかなりあげにくくなることがわかると思います。
常にピシッとした姿勢でいることは難しいですが、手をあげるときだけでも少し背伸びをするような感覚で手をあげるようにすると、肩の負担はかなり軽減し、音も鳴りにくくなるのです。
肩の音と四十肩(五十肩)は大きく関連しています。
音が鳴るということは痛みがなくても一つのサインです。ぜひご注意を!