四十肩(五十肩)と巻き肩の関係について
四十肩(五十肩)になったとき「巻き肩が影響している!」なんて話を、耳にするようになりました。
個人的には、巻き肩という言葉には違和感があるのですが…
肩こりや腰痛、果てはヒザの痛みまで、何でもかんでも巻き肩のせいにしている記事をよく目にします。
もちろん、すべてが嘘ではないのですが、さも巻き肩だけ治せばすべてよくなる、といった表現はやはり言い過ぎだと感じます。
さて、そんな巻き肩ですが、四十肩(五十肩)にとっては、やはり場所が近いだけに非常に大きな関連性があります。
巻き肩になっている人は四十肩(五十肩)になるリスクがかなり高い、といっていいでしょう。
では、巻き肩のどのようなところが、四十肩(五十肩)になるリスクになるのでしょうか?
ご説明したいと思います。
四十肩(五十肩)と巻き肩が関係する理由って、なに?
そもそも、巻き肩とは、肩甲骨が離れている、つまり背骨に対して外に出すぎている状態のことです。
そうなると、必然的に背中も曲がってくることがあるので、腕を大きく動かすためには、非常に不利になります。
また、腕を動かす時にも、肩への負担が大きくなってしまいます。
腕を動かすための土台は「肩甲骨」です。
腕を上に挙げるときは、肩甲骨が上に大きく傾く必要がありますが、普段の姿勢が「巻き肩」になっていると、肩甲骨が上を向く余裕がなくなります。
そのため、肩の動きが必要以上に求められることになってしまいます。
さらに、巻き肩であれば、背中も曲がりやすくなり、ますます腕があげづらい状況になっているのです。
巻き肩の、さらなる問題としては、頭の位置に影響することがあります。
巻き肩になっている方は、どうしても、頭の位置が体に対して前に出たような位置になっています。
こうなると、首や肩の後ろの筋肉には、必要以上の負荷がかかることになり、肩こりや腰痛の原因ともなるのです。
もちろん、これは先ほども書いたように、むしろ頭の位置が前にあるから、巻き肩になりやすいともとらえることができ、どちらか一方だけを悪者にするのは問題です。
どちらが、より影響力があるかを、キチンと見極める必要があるのです。
このように、四十肩(五十肩)と巻き肩には大きな関連性があります。
まずは、意識的に巻き肩にしたとき、どれくらい腕が動かしづらくなるかぜひ体験してみてはいかがでしょうか?
巻き肩で四十肩(五十肩)になった場合の注意点
四十肩(五十肩)になった人の多くが、巻き肩であることはよく知られています。
巻き肩という言葉は、最近のもののようですが、肩甲骨が外に開いてしまっている状態については、昔から大きな問題である…というのが常識でした。
そのため、巻き肩がある、ということは目新しい発見でもなんでもありません。
それどころか、四十肩(五十肩)の治療にとっては、昔からごくごく当たり前のように、その必要性が謳われてきたのです。
さて、では、巻き肩に対する対処や、それが原因で四十肩(五十肩)になった場合の注意点について書いていこうと思います。
巻き肩で四十肩(五十肩)になる…といいつつ、実は四十肩(五十肩)になった人のほとんどが巻き肩である、と考えてよいと思います。
比較的若い女性の場合には、姿勢を良くしようとし過ぎて、四十肩(五十肩)になる方もいらっしゃるので、それは例外です。
巻き肩がある場合、肩甲骨の動きをいかに大きくできるか、そして、肩甲骨が動き始める位置をいかに「良い位置」に持ってこれるか、ということが大切です。
肩甲骨の動きを大きくするために、まずは、外に開いてしまった「肩甲骨」を背骨に対して寄せていくことです。
これは、左右同時に行うことが大切です。
もちろん、肩甲骨同士を寄せる運動をした後は、逆に肩甲骨同士を話していくこともよいでしょう。
胸を張ったり、背中を丸めたり、という繰り返しでよい、と考えるとわかりやすいかと思います。
巻き肩を修正するためには、肩甲骨周りの筋肉が重要です。
そのためのエクササイズの中で簡単なものは、(肩の痛みがないという条件ですが)頭の後ろで手を組むようにします。
そのまま、頭が動かないようにして、両肘を後ろに引くと、胸を張ることができるとともに肩甲骨を背骨に寄せていくことができます。
巻き肩と四十肩(五十肩)には非常に密接な関連性があります。
しかし、四十肩(五十肩)を患った肩の多くがそのような対処については初耳だといわれます。
少しでも痛ければ、まずは一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?