四十肩(五十肩)とアイロン運動~古典的といわれても~

四十肩(五十肩)になった人への運動の指導として医療機関で昔から「アイロン運動」を教えられることがあります。

 

かなり昔から言われている運動なのですが、いまだにこれさえやっとけばいい、なんていう整形外科医もいるようです。

 

逆に、最近になると四十肩(五十肩)にアイロン運動は効果がないとして、ナンセンスだ!という医師もいるようです。

 

そもそも、アイロン運動とはどのような運動なのでしょうか?

 

ここでは、四十肩(五十肩)に対して昔から行われている「アイロン運動」についてご説明したいと思います。

四十肩(五十肩)のアイロン運動ってどうやってやるの?

四十肩(五十肩)に対するアイロン運動のやり方ですが、以下のような感じで行います。

 

まず、四十肩(五十肩)になった方の手で、アイロンを持った状態で体を前に傾けぶらーんと腕を垂らします。

 

その際、もう一方の手は、壁やテーブルで上半身を支えます。

 

その状態で「腕を振る」というよりは、体全体を前後や左右に揺らしてアイロンが振り子のようにぶらぶらと揺れるように動かしていくのです。

 

そうすることで、徐々に動く範囲を広げてあげようというのがアイロン運動です。

 

四十肩(五十肩)は、どうしても関節が固まったようになることが多く、痛みも伴うので徐々に動きを広げてあげよう、という目的のアイロン運動です。

 

アイロンと繰り返し言っていますが、当時アイロンが最も持ちやすく、適度な重さもあったので使われていただけで、アイロンでなくても構いません。

 

さて、この四十肩(五十肩)に対するアイロン運動は昔からあるものですが、果たして効果はいかほどなのでしょうか?

 

様々な意見があるようですが、現状では使いようによっては有効な場面もあるというのが落ち着いたところのようです。

 

昔のように「これだけやっときゃいい!」までの効果はないと考えられているみたいですね。

 

どういったところに効果があるのかというと、実は動きを広げる事よりも、脱力がうまくできるようにするという効果の方が大きいのではないかと思います。

 

四十肩(五十肩)は痛みがとても強い時期があり、防御のために周りの筋肉の緊張が非常に高くなりやすいです。

 

そのため、日々のなかで、そういった余計な緊張をいかに少なくできるかは治していく過程では非常に重要なポイントです。

 

アイロン運動でぶらーんとすることにより、周りの筋肉の過剰な緊張を伴うことなく肩の動きを出せる、というのはよい効果があると考えられます。

 

古典的な運動であっても、使いようによってアイロン運動は四十肩(五十肩)に有効だと思います。

アイロン運動で四十肩(五十肩)を治す?~ゆったりゆっくり~

では、四十肩(五十肩)に対してアイロン運動を行う時の注意点などについて書いていこうと思います。

 

アイロン運動を行う場合、まずは「おもりの選び方」が大切です。

 

先ほども書いたように、アイロンである必要は全くありません。

 

取っ手がついていてもちやすい、という理由だけですが、持ちやすいのでアイロンは確かに良いと思います。

 

おもさはおおよそ2,3kgくらいのもので、あまり強く握る必要はなく手に引っ掛ける、という感じで持つとよいでしょう。

 

アイロンをもって体を前に傾けるのですが、この時の角度は痛みのない範囲で徐々に傾けて行っていくとよいと思います。

 

いきなり、体を90度傾けてしまうと、肩に痛みが出てしまうことがあります。

 

アイロンを持った状態で体を前に傾け、ゆっくりと腕を振っていくのですが、最大のポイントは「腕を動かそうとしないこと」です。

 

体全体を揺らして、その反動で腕も揺れてくる、ということが大切になります。

 

肩から腕は脱力できているかどうかは大切なチェックポイントです。

 

そのため、いきなり大きく揺らそうとせずに、ゆっくりとぶらんぶらんと揺らしていくことが重要です。

 

四十肩(五十肩)のアイロン運動の時間は、ものの数分でかまいません。

 

できれば、一日に何度も行う方がよいでしょう。

 

先ほども書いたように、四十肩(五十肩)を治すという目的よりも、四十肩(五十肩)の痛みによって過剰に緊張してしまった筋肉を脱力させることが、主な目的になります。

 

なので、1日に何度やってもよいでしょう。

 

四十肩(五十肩)に対するアイロン運動はいわゆる古典といわれるものですが、やはり使い方を考えればよい運動だと思います。

 

簡単にできますので無理せずに試してみてはいかがでしょうか。

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