四十肩(五十肩)と股関節の痛み~関係あるような無いような・・・~
四十肩(五十肩)になった人のなかに、こんな方がいらっしゃいます。
- 肩だけでなく股関節も痛みが出てきた
- 実は、股関節の痛みの方が先にあった
四十肩(五十肩)にしろ、股関節の痛みにしろ、どちらが先かはわからないけど、同時期に痛みが出てくる人がいるのです。
このように、四十肩(五十肩)と近い時期に、股関節や膝関節など、ほかの関節の痛みが出るケースは結構多いものです。
さて、それでは、四十肩(五十肩)と股関節の痛みには、どんな関連があるのでしょうか?
それとも、関連がなく、たまたま同時に痛くなっただけなのでしょうか?
ここでは、四十肩(五十肩)と股関節の痛みの関係についてご説明します。
四十肩(五十肩)と股関節の痛みは関係ない?
四十肩(五十肩)と股関節の痛みが関係あるかどうかですが・・・
答えとしては、四十肩(五十肩)と股関節の痛みには直接的な関連はないとなります。
しかし、同じ一人の人間の一つの身体ですので、間接的にそれぞれが影響しあうことは十分考えられます。
さらにいえば、極々まれに注意が必要な病気を持っていることもあるのです。
まず一番考えられるのが、カラダの使い方の癖や姿勢の問題です。
四十肩(五十肩)の場合、多くは姿勢が悪くなっています。
姿勢が悪くなれば腰痛にもなりやすくなり、股関節への負担も増して当然です。
そのため、治療をする際も、四十肩(五十肩)なのに肩そのものではなく、姿勢に対して主に治療を行うケースもあるのです。
一方、股関節の痛みに関しても同じことが言えます。
生活習慣というのは、それだけいろんなところに影響を与えてしまいます。
そのほか、四十肩(五十肩)と股関節の痛みが出るものとしては、加齢による全身的な関節の変形があります。
これは、同じ年齢でも人によって大きく違うのですが、中には関節の周りに骨棘(こっきょく)といわれるトゲのようなものができやすい方がいます。
そのような方は、年齢を重ねたときに急にいろいろな関節が痛くなる、ということがあります。
また、ほとんどないのですが、注意が必要なものとしては「関節リウマチ」があります。
全身的な関節で炎症が強く起こる難病です。
自分で自分の関節を壊そうとする反応が起きるため、全身のいろいろな関節がひとりでに壊れていくのです。
もちろん、極々稀であり、四十肩(五十肩)の痛みとは少し違った出方をするので、気づくことが多いです。
四十肩(五十肩)と股関節の痛みには直接的な関連はないにせよ、体の何らかのサインであることに間違いはありません。
重大な問題でないか、まずは医療機関できちんと判断してもらい、適切に対処していきましょう。
四十肩(五十肩)で股関節も痛い~肩よりも股関節よりも先に・・・~
では、四十肩(五十肩)で股関節も痛みがある場合の注意点について書いていこうと思います。
先ほども書いたように、四十肩(五十肩)で股関節も痛い場合の原因としては、以下のようなことが考えられます。
- 姿勢や生活習慣の影響
- 加齢による全身的な関節の変形
- 関節リウマチなどの病気
最も多いのが、1番目の「姿勢の影響」です。
しかし、それよりもまずは2,3番目の、全身的な関節の変形や、関節リウマチなどの病気は、一刻も早く除外しなければなりません。
四十肩(五十肩)で股関節も同時期に痛みが出てきた場合、医療機関を早く受診しレントゲンなどによるチェックは受けるべきでしょう。
加齢による関節の変形が強く起こっている場合には、四十肩(五十肩)の治療といっても、一様ではない可能性があります。
そのため、少し動きの幅を狭くするようにしたり、肩の治療も行いながら、他の関節の動きに余裕を持たせたりのような治療をしっかりと行わなければなりません。
関節リウマチが疑われれば、専門医への紹介になります。
もちろんそんなケースはほとんどないに等しいのですが。
さて一番多い「姿勢や生活習慣の影響で四十肩(五十肩)になったり、股関節の痛みが出るケース」をご説明しましょう。
このような場合、日常生活における肩を動かす前の「身体の位置」が重要です。
座っているときで言えば、骨盤が後ろに傾き過ぎないように意識する(お尻のうしろにタオルを挟む)、立っているときや歩くときには軽く顎を引くようにする、手を動かす、足を動かす時には少し胸を張るように意識する、などが基本的な対応になります。
四十肩(五十肩)にしろ、股関節の痛みにしろ、痛みがある動作を無理に行うことは絶対に避けた方がよいです。
このように、四十肩(五十肩)の際に、ほかの関節の痛みが出てきた場合には、なによりもまず医療機関でのチェックが最優先です。