四十肩(五十肩)と雨~なんだか調子が悪い?~
四十肩(五十肩)の方の訴えの一つとして「雨の日はやっぱり調子が悪い」というものがあります。
四十肩(五十肩)に限らず、雨と様々な病気との関連性は、昔からまことしやかに言われてきました。
それでは、四十肩(五十肩)と雨には、どこまで関連性があるのでしょうか?
答えとしては「関係ある人もいる」という、なんとも歯切れの悪い答えとなります。
ここでは、四十肩(五十肩)と雨との関係性についてご説明します。
四十肩(五十肩)と雨は関係ある人もいる理由は?
四十肩(五十肩)の方とお話していても、雨だと調子が悪い方とそうでもない方が半々くらいの印象です。
実際にアンケートをとったわけではないのですが、かなりの数の四十肩(五十肩)をみてきたので間違ってはいないでしょう。
さて、四十肩(五十肩)が雨の日に調子が悪い、痛みが強いというのはどんなことが考えられるのでしょうか?
ポイントとなるのは「気圧の変化」です。
肩という関節は「関節包」と言われる袋で包まれており、外に対して中の圧は低い状態(陰圧)となっています。
そのため、骨同士がひきつけあうような力が働き、関節が安定します。
雨の日、もしくは雨が降る前には、周りの気圧が下がっていきますので肩の内外の圧の差が少なくなります。
そのため、肩を引き付ける力が落ち、周りの血管も膨張しやすくなり、炎症が強くなるなどのことが起こってくるのです。
その結果、四十肩(五十肩)の痛みを強く感じるようになります。
雨だから新しいことが起こるというより、もともとある痛みが雨のせいで、気圧の変化のせいで感じやすくなる、という感じでしょう。
天気の変化と痛みの関係は、実際に研究のレベルでも徐々に解明されてきています。
ネズミを使った実験では、気圧が低いことよりも、気圧が低くなっていく過程で、痛み刺激に対する行動が敏感になっていったそうです。
詳しいメカニズムとしては自律神経系が関与しているといわれており、気圧が低くなっていくときには交感神経が強く興奮しやすいと考えられています。
確かに、実際に四十肩(五十肩)の方のお話を聞いてると、雨が降っている時より雨の前の方が調子が悪いという方が多いです。
また、雨が降り出すとむしろ少し落ち着く、なんて方が多いような印象があります。
四十肩(五十肩)と雨にはハッキリはしないものの、関係があるようです。
しかし、雨だから四十肩(五十肩)になるわけではありません。
四十肩(五十肩)の症状を雨が強く感じさせる、というくらいの認識でよいのではないでしょうか。
四十肩(五十肩)は雨で悪くなる?~リラックス、リラックス~
四十肩(五十肩)の方が雨で痛みが強くなる場合、どのような対処や注意点があるのでしょうか?
雨によって四十肩(五十肩)の痛みが強くなる原因としては、気圧の変化ということは前述しましたね。
そのため、気圧の変化に対する対応と、痛みを感じやすくなることへの対応の2種類を実践してみるとよいでしょう。
まずは、気圧の変化に対する対応ですが、肩の関節の中の圧力の変化を少なくすることが大切です。
・・・といっても外の天気をどうにかすることができるわけではなく、肩の中の圧力を考えて意識して操作できるわけでもありません。
その中でもできる対処としては、まずお風呂に入ることが考えられます。
四十肩(五十肩)のかなり急性期でどんな状態でも痛いという状況であれば難しいですが、肩まで湯船につかるだけでも水圧によって圧力差が戻されて楽になるようです。
そのほかには、関節の隙間を広げてあげると楽になることが多いです。
そのためには、1~2㎏のおもりをもって体を前に倒し、ぶらーんと腕を振ることが良いです。
重すぎてもダメなのですが、振り子のように腕を体を使って自分の力を使わずにゆらす、というものです。
同じような効果でおもりを持って立ち、肩を少しすくめるように腕を伸ばしたまま、おもりを上にあげてストンと落とすなんてことも有効です。
おもりで引っ張られることによって圧が変化しやすくなるのです。
一方、気圧の変化によって、同じ四十肩(五十肩)の状況でも痛みの感じ方が変わります。
そのため、痛みに対して敏感になりすぎないように「自律神経系」を整えることが大切です。
有効な方法は、腹式呼吸、深呼吸といったような呼吸です。
何気ないことなのですが、1日のうちにゆっくり深呼吸、腹式呼吸をすることは意識しない限りはなかなかできないでしょう。
本当にゆっくりで構わないのでやってみてください。
四十肩(五十肩)と雨には関係があると言えます。
そもそも、四十肩(五十肩)の対処が甘い例が多いように思います。
改めて四十肩に対して適切な対処を行うように心がけていきましょう!