四十肩(五十肩)とお風呂~だって気持ちがいいんだもん?~
四十肩(五十肩)になった方から、いろいろな質問を受けることがあります。
「四十肩(五十肩)がお風呂に入ることで治るのではないか?」
・・・という質問は、結構いただくことがあります。
さて、果たして四十肩(五十肩)に対してお風呂に入ることは有効なのでしょうか?
答えは「時期による」です。
これはアイシングや温めることのどちらが効果的か?という話と同じです。
四十肩(五十肩)を発症してからの時期によって、お風呂が有効か否かは変わってきます。
ここでは、四十肩(五十肩)に対するお風呂の入り方などについてご説明します。
四十肩(五十肩)でお風呂に入る時期について
四十肩(五十肩)でお風呂に入る時期は、どのように考えれば良いのでしょうか?
まず、四十肩(五十肩)の急性期は、非常に炎症が強く起き、何もしなくても痛みが強い、夜眠れないくらい痛みがある、という状態です。
このような時にお風呂に入って温めてしまうと、血流が増し、周りの筋肉がほぐれます。
そのため一時的には楽になったように感じますが、そもそもの痛みの原因である炎症が強くなり、痛みがお風呂に入る前よりも増してしまうことが多くあります。
逆に、痛みの強い「急性期」を過ぎて、痛みはほどほどで動きの制限が強い「慢性期」には、お風呂は非常に有効であると考えられます。
単に、周りの固まった筋肉がほぐれるというだけでも、非常に効果的です。
さらに、四十肩(五十肩)の慢性期には、関節を包む袋や靭帯も固くなることが多く、じんわりと温めることでこれらの組織も柔らかくなることが期待できます。
また、四十肩(五十肩)の特徴として、痛みを感じる期間がとても長くなることが多いので、心理的にもかなりのストレスが溜まります。
このようなストレスは、実はかなり厄介で、四十肩(五十肩)が適切に治るのを阻害する要因となるのです。
その点、お風呂に入ることは、心も体もリラックスできるため、そういった面からも四十肩(五十肩)には有効と考えられます。
四十肩(五十肩)にとってお風呂はメリットが多いものですが、時期を誤ると悪化させるだけになります。
アイシングなどとうまく組み合わせながら、適切に対処していきましょう。
四十肩(五十肩)でお風呂に入る~ぼちぼちで構いません~
では、四十肩(五十肩)でお風呂に入る場合の注意点などについて書いていきます。
お風呂に入るときの基本は、無理に熱いお湯に入らない、リラックスできることが大切、長湯をせずに腹八分目くらいであがるです。
四十肩(五十肩)に限らず、頑張ってお風呂に入るということはよくありません。
四十肩(五十肩)でお風呂に入る場合、急性期には要注意と書きました。
肩の中の炎症が強い時期には、お風呂で温めると炎症が強くなり、症状を悪化させることになるからです。
しかし、急性期にお風呂に入ってはいけないということではありません。
お風呂に入ることで首回りや背中、肩甲骨周りの筋肉の緊張は楽になることが期待できます。
なので、炎症が強くならない範囲で軽くリラックスする気持ちで短めに入るとよいでしょう。
もちろん急性期は痛みが非常に強いので、併せて寝る前にアイシングを行うと良いです。
四十肩(五十肩)の慢性期に入ると、いよいよお風呂のメリットが最大限に発揮されます。
固まった関節を柔らかくするためにはゆっくりと周りの組織を温めることが重要です。
苦行に耐えるように、無理やり熱いお湯に入る必要はなく、リラックスできることが重要です。
そうすることで心身のストレスに対しても効果的です。
また、お風呂に入っている時、四十肩(五十肩)の慢性期であれば、背伸びをするなど、ゆっくりとほぐすように軽めの体操を行うのが良いでしょう。
また、首や背中などもほぐれますので、この部分に関しても、ゆっくりじんわりと軽い体操をおこなうと効果的です。
四十肩(五十肩)にとってお風呂に入ることは、非常に有効な手段です。
こうしなければならない!と無理に気張るより、アロマでも入浴剤でもいいので、リラックスしてゆったりと入るようにしてみてください。