四十肩(五十肩)とサポーター~信頼しすぎるのは禁物です~
四十肩(五十肩)になると、どうしても治るまでには時間がかかることが一般的です。
そのためサポーターについての質問を耳にすることがあります。
サポーターそのものは腰痛、ひざ痛などでよく利用されているため、四十肩(五十肩)にもいいんじゃないか?と思う方が多いようです。
しかし、実は「肩用のサポーター」は、腰用、ひざ用に比べてあまり種類がないのが現実です。
四十肩(五十肩)にサポーターを利用する方がそこまで多くないことや、腰痛やひざ痛用サポーターほど効果が実感されにくいことなどが原因と考えられます。
さらに、サポーターは、肩の動きを制限することが主な目的です。
四十肩(五十肩)に使う場合、日常生活への支障が非常に大きくなり、使いづらいということもあるのでしょう。
こんな風に書くと四十肩(五十肩)にとってサポーターは意味がないんじゃないか?と感じられるかもしれませんが、メリットも結構あります。
要は、使うタイミングや、使い方をきちんと守ることが大切なのです。
四十肩(五十肩)にサポーターはどうやって使う?
四十肩(五十肩)になった方がサポーターを使う場合、どんな点を意識すれば良いでしょうか?
肩用のサポーターで一般的なものは、胸から肩にかけて巻くようなものです。
さらに、いわゆる骨折した後に腕を吊る「三角巾」のような手を完全に動かさないようにする形のものあります。
前者の方が、肩の動きの制限がまだ少ないものです。
四十肩(五十肩)には、これらをいかにうまく使うか、というところですが、急性期の痛みが強い時期に使うのが良いでしょう。
基本的に、四十肩(五十肩)の治療の大原則は「痛みのある動作を行わない、極力避ける」です。
日常生活で手は使わざるを得ないことが多いため、サポーターで強制的にある角度以上腕が動かないようにすることは非常に有用です。
もちろん、生活上の不便は大きくなるのですが。
四十肩(五十肩)の人は、どうしても動きが必要な場面のみ外しておいて、制限したい場面だけでサポーターを使用する、というのがよいでしょう。
サポーターの主な目的は、痛みがある動作をしてしまう回数を減らす、ということにあります。
そのため、サポーターをしたから四十肩(五十肩)で何をしてもよい、なんてことはありません。
信頼しすぎずに「治りやすい環境にするためのもの」というくらいに考えて利用していきましょう。
四十肩(五十肩)とサポーター~種類はあまりないけど~
四十肩(五十肩)にとってサポーターの効果はあるにしても、日常生活での支障が非常に大きい、ということを先に書きました。
痛みの強い時期、痛みのある動作を、極力避けるために利用するのは非常に有効です。
また、そこで痛みを避けることで余計な筋肉の緊張を防いだり、かばった動きを体が学習してしまうことも防ぐことができます。
そういった点では、四十肩(五十肩)にとってサポーターは非常に有用と言えるでしょう。
では、一体どのようなものをチョイスするのが良いのでしょうか?
主に、胸から肩、腕にかけて巻くようなタイプのもの、三角巾で腕を吊るような腕の動きを完全に止めてしまうもの、という二つの種類が一般的です。
前者のタイプは、動きの制限は強くなく、補助するような仕組みになっています。
そのため、どうしても動かなければならない場合におすすめしています。
これは、四十肩(五十肩)の急性期を過ぎて、少しずつ痛みが緩和されてきた時期に装着するのが良いです。
痛みが緩和される時期にはつい大きく動かしてしまい、痛みを出してしまうことがあるので注意が必要です。
さらに、関節の動きの制限が強くなってくる時期でもあり、かばった動きが学習されやすいのでサポーターで適度に動きを制限するとよいでしょう。
後者のタイプ、三角巾のようなものは「痛みが最も強い時期」にお勧めしています。
つまり、完全に腕の動きを止めてしまおうというものです。
もちろん痛みのない範囲では動かすことも有用です。
なので、
- 長時間の移動
- 日常生活で腕を動かす必要のない場面
- 夜間
などに使用し、それ以外の時間で定期的に外して、腕の動きを許してあげるのがよいでしょう。
四十肩(五十肩)にとってサポーターは使う時期や方法をきちんとすれば非常に有効です。
適切に自分の状態を把握して、サポーターを有効に利用していきましょう。