四十肩(五十肩)とストレッチ~実際どうなの?~
四十肩(五十肩)に限らず「ストレッチ」は、よく知られていますね。
ストレッチをして、体を伸ばすことは体に良い、とされています。
しかし、四十肩(五十肩)にとって、ストレッチは果たして有効なのでしょうか?
四十肩(五十肩)の激痛を何とかしたいと思う反面、ストレッチで伸ばすことに不安があるかも知れません。
今回は、ストレッチの四十肩(五十肩)に対する有効性について、書いていきます。
四十肩(五十肩)にストレッチは有効なのか?
さて、四十肩(五十肩)にストレッチは有効なのか?
基本的には、「有効」だといえます。
四十肩(五十肩)は、明確なキッカケがあるものと、まったくキッカケも原因も分からずに、なってしまうこともあります。
しかし、少なくとも、ほぼ必ずといって「筋肉の問題」が絡んでいます。
さらに、関節を包む袋や、靭帯が硬くなることも多く、ストレッチでしっかりと、それらの固くなった筋肉などを伸ばしていく必要があるのです。
そして、もう一つ、四十肩(五十肩)の厄介な点として、生活している以上、腕は動かざるを得ないということがあります。
生活の中で腕を動かさないで過ごすということは、到底無理であることは容易に想像がつくと思います。
そのため、痛みがあっても無理しなければならないことも多く、周りの筋肉が過剰に緊張せざるを得なくなることがほとんどです。
そのようなことからも、マメにストレッチを行い、筋肉の状態をよくしておくことは、四十肩(五十肩)を治療するための重要なポイントとなるのです。
ただし、四十肩(五十肩)に対するストレッチには、注意点があります。
なんでも、やれば有効というわけではありません。
四十肩(五十肩)の場合、腰痛や、肩こりに対するストレッチと比べると、よりデリケートなもので、丁寧に行う必要があります。
肩の関節は、もともと動く範囲が非常に大きく、様々な動きの自由度を持っています。
逆を言えば、不安定になりやすい。
そのため、四十肩(五十肩)になると、肩の関節がグラグラして、正常の位置から逸脱しやすくなります。
そのような状態でストレッチを強引に行うと、関節に強い負担を強いることとなります。
結果的に、周りの筋肉は伸ばすことができても、肩の中の筋肉などには、結局キズがついてしまうことが多くあるのです。
さらに、ストレッチは、ちょっと痛いくらいじゃないと効果がない、なんて誤解があることも多いです。
そのため、肩の関節に負担がかかっていることによる痛みを、「ふつうのストレッチによる痛み」だと勘違いしてしまうこともあります。
四十肩(五十肩)に対して、ストレッチは基本的にはとても有効なものですが、注意することも多くあります。
適切な方法で行うことを、常に意識しましょう。
ストレッチで四十肩(五十肩)を治す?~無理しちゃダメです~
では、四十肩(五十肩)に対して、ストレッチを行う場合の注意点などについて書いていこうと思います。
四十肩(五十肩)に対して、自分でストレッチを行う場合、何より注意が必要なことは「痛みの出る場所」や「痛みの質」です。
例えば、両手を組んで天井に向かって、背伸びをするようなストレッチをするとします。
その場合、肩の上の方に痛みが出てしまう場合は、それ以上絶対に行うべきではありません。
なぜなら、関節内で、上腕骨という腕の骨がぶつかってしまっていることが多いからです。
逆に、同じようなストレッチをしてみて、肩の後ろから脇、背中にかけて、突っ張るような、伸びるような感覚が得られれば、適切にストレッチができていると思いますので、続けてよいでしょう。
両手を組んで、背伸びをするようなストレッチのポジションから、体を左右に倒していくことで、さらに効果的に「肩の後ろや下」の筋肉を伸ばすことができるでしょう。
四十肩(五十肩)に対するストレッチの代表的な、もう一つの方法もご紹介します。
四十肩(五十肩)になった方の腕を、肩の高さまであげて、反対側の肩の方に持っていくストレッチです。
首に回すような感じでしょうか。
四十肩(五十肩)になって、かなり関節が硬くなってしまった状態の時には、特に有効です。
さらに、そのほかのストレッチでは、単純に背骨を曲げたり伸ばしたりが、けっこう有効だとされています。
肩なのに背中?と思われるかもしれませんが、肩の関節の土台となるのは「肩甲骨」です。
肩甲骨は、背中に浮いたような状態になっています。
背中が硬ければ、肩甲骨の動きも阻害してしまいますので、結果として肩への負担が増してしまうことになるのです。
地味なストレッチこそ、実は、四十肩(五十肩)には大切です。
前にも書いたように、大きく無理に動かすことは、逆に四十肩(五十肩)を悪化させてしまうのです。
四十肩(五十肩)にストレッチは大切ですが、丁寧に行うことが必要です。
まずは、近くの専門家に相談してみることをお勧めします。