四十肩と産後~四十じゃなくても・・・~
出産後のお母さんの中で、こんなことを耳にすることがあります。
- 「産後しばらくして肩が痛くなり、病院で四十肩と言われました。」
- 「20代なのに肩が急に痛くなり、四十肩と言われました。」
四十肩は、40歳代の人がなるんだというイメージの方はいまだに多いようです。
しかし、四十肩は、実はいろいろな年代に発症することが知られています。
それこそ、30代で発症すれば三十肩と呼ばれ、50代なら五十肩、60代なら六十肩です。
その中でも、今回は産後の四十肩について書いていこうと思います。
四十肩が産後に起きる原因は?
産後、四十肩になるケースはそれほど多くはないですが、実は珍しいものではありません。
そもそも四十肩になったとしても、軽症のまま治っていく例が多いようで病院への受診すらしないという方が大半のようです。
さらに、産後は子育てで忙しく自分が病院へ行く、なんて暇はない、という方がほとんどなのも影響しているようです。
さて、産後なぜ四十肩になることがあるかというと大きく分けて二つ理由が考えられます。
一つ目はホルモンバランスの影響です。
出産というものは体にとって非常に大きなインパクトを与えます。
ホルモンのバランスも劇的に変化し、特にリラキシンというホルモンの分泌量が一気に増えてきます。
このホルモンにより筋肉や靭帯が弛緩し、関節はとても不安定な状態かつ、筋肉で支えられにくい状態になります。
関節がグラグラしているところへ、さらに産後は筋肉も落ちることが多いので、ますます肩が不安定になり、中でこすれるため、四十肩になりやすいのです。
もちろん関節が不安定ということは動く範囲は広くなります。
なので、痛みはあっても動きの制限は少ないことが多いのでなんとか生活できてしまうのも積極的に治療をおこないにくい要因でしょう。
もう一つの理由としては、やはり子育てにあります。
先ほどのような筋肉が落ち、関節が不安定な状況で、赤ちゃんとはいえ3kg以上の重さを扱おうとすることは肩への負担は相当なものになります。
どうしても片手で抱っこしなければならないことも多く、それが1日中続くわけです。
四十肩になりやすくて当然、と言えば当然なのです。
このように産後は四十肩になりやすい要素が多くあります。
若いからと言って油断せず痛みのない動作を行うように心がけていきましょう。
産後の四十肩~無理しちゃダメダメ~
四十肩は、実は40代の方だけではなく、さまざまな年代の方がなるものだということは、実はあまり知られていないことです。
さらに、産後に四十肩になる方が特徴的にいらっしゃるのは、見過ごされがちな事実といえるでしょう。
そこで、産後に四十肩になった場合の対処や、予防のための注意点について書いていこうと思います。
産後の四十肩は、いくつかの原因があることは先ほど書きました。
ホルモンの影響と子供という重さを扱うことの難しさが主な原因です。
まずホルモンバランスの影響ですが、これはホルモンのバランスそのものを変えるわけにはいきません。
ホルモンの影響によって、体中の筋肉や靭帯などが緩くなっている状態が、産後長く続きます。
そのため、力を入れようとしても思った以上に入らないこと、子供を産む以前よりかなり関節が不安定になってしまうことを知っておく必要があるでしょう。
対処としては、四十肩の基本的な注意点をより意識して守るべきです。
遠くに手を伸ばして物をとらない、両手でできることは両手で、全身を使う、などでしょう。
子供がいる環境でこれらを注意しようと思うと意外に難しいものです。
さらに、子供そのものも3㎏以上の重さであり、抱っこしたり、寝かしたりの繰り返しは注意が必要となります。
これも、ホルモンバランスと同様に軽くすることはできず、むしろ喜ばしいことにどんどん重くなっていくわけです。
そのため、クッションや抱っこひもなどいろいろな道具を利用することが大切になります。
可能であれば、チャイルドシートは回転式のものを使う、なども車へ乗せる際の肩への負担を軽減する方法となります。
このように、産後の四十肩は体の特徴の変化や子供という重さを扱う避けがたい特徴ゆえに起こるものです。
体の変化を止めたり、さらに変化させることは難しいですが、いろいろな工夫や道具で四十肩を予防したり、治療していくことは可能です。
産後に肩に痛みが出た場合、まずはすぐに医療機関でのチェックを受け、適切な方法の指導を受けてみてください。